持たざる者の幸福

昔、ヒットした羽海野チカ先生の「ハチミツとクローバー」というマンガがあります。
(以下、ネタバレあります)

絵画の才能があるヒロインの女の子は、その子を好きな主人公には目もくれず、絵描きとしてやっていくために、従兄弟の大学教授と結婚してしまいます。
「あなたの人生を私にください」
と自分からプロポーズして。

主人公は、凡人としてできる限りのことをして宮大工として生きる道を見つけますが、恋は叶いませんでした。

それ以外でも、羽海野先生は、徹底的に「持たざる者」の惨めさを描き、彼らが報われることはありません。

根拠のない「自分は成功する」というのを信じることが世では良いとされているように思えます。
しかし、子供の頃から自分はそれに疑問でした。
持たざる者が現実を見ないことは、幸せなのでしょうか。
結局、どう足掻いたって幸せにはなれないのだから、初めから諦めつつ、絶望の道を歩むのも一つの幸せなのではないかな、と私は考えています。

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