見出し画像

団塊ジュニア世代の私、自分の考えの表明・当事者意識とリーダーシップが鍛えられてない問題

1975年生まれの私はほぼ団塊ジュニア世代です。
バブルは自分の上の世代が経験して自分とは無縁のもの、中学時代は過度な校則の締め付け、受験戦争、就職氷河期で非正規雇用が多く、子育てする母親への過度の期待、上がり続ける教育費、変わらぬ教育体制の中で不登校になる子どもの親世代でもあり、なかなかですね。

日本の企業に勤めているのですが、イノベーションが起きずに業績も伸び悩みがちな日本企業の問題の多くは、私たち世代がひたすらに我慢して、ただ上司が言うことを実直に行うことをよしとしている人が圧倒的に多いことに起因するのではないかなと思います。

厳しい状況があっても、ひたすら耐えて我慢し声を上げない世代が私たちなのかと思うとちょっとゾッとします。

なんで声を上げずに耐えてしまうんだろう?と考えるに、一つは私たちが学生時代に受けた教育の成果なんだろうなと思います。我が家の子どもたちが公立で受けている小中学校の教育は、私たちが受けていた教育よりはずっと良くなっているとは思うのですが、それでもトップダウンで先生の言うことを一方的に聞いて、言われたことをきちんとやる子どもが評価されます。学校だったらこう言うことを言うべき、と空気を読んで学校が望むことを発言したり表現したり行動したりすることが小学校高学年になる頃には刷り込まれているように見えます。
私自身、学校は嫌いでしたが、先生にとっては扱いやすい生徒だっただろうなと思います。そこそこちゃんと勉強をして、人との対立や摩擦を恐れる「こわがり」でしたし、学校がハンドルしやすい範囲内の子どもだったと思います。

もう一つは、上の世代の人たちが上司に逆らわずにやってきたことでそれなりに会社の中で出世して地位も上がり所得も上がり大過なくやっているのを見て、ああ、自分たちも波風立てずに我慢していればいつかは報われる、って思っちゃったのかなって思います。今となっては早期退職や役職定年も広まって、すんごい間違いだったな、って明らかですが。

もう一つ、私個人の働く女性としての視点で言うと、実は私は自分たちの世代が不当な扱いを受けていると言うより、むしろ恵まれていてラッキーだったな、と思っていました。私が入社した当時、灰皿を洗うのも給湯室の掃除をしたり来客にお茶を出すのも、一般職とか総合職とか関係なく入社したての女性社員でした。「女性社員だけ制服」(これも一般職、総合職関係なく)があることも私たちの年代で残っているか、数年前に廃止されているかというタイミングでした。「女性が働くことに対して社会が変わろうとしている」ことは日々肌で感じることができており、私にとっては経済の閉塞感を憂うことより働く女性が歓迎されるムードへの希望を強く感じていました。

今の価値観で言うとモラハラとかマタハラ的なつっこみどころは色々あったでしょうが、女性が子育てしながら働くことに「協力的であることがこれからはイケてるビジネスパーソンだ」と言う認識を男性社員も持っていまいたし、出産ギリギリまで働いて産後数週間で復帰して働くことができる「スーパーウーマン」には到底なれない私でも、3回の産休と育休をとっても楽しく働き続けることができる環境が整っていたことはとてもありがたいものでした。
同世代では新卒採用で正社員で働くことができなかったり、結婚や出産で仕事を離れる女性が周りにたくさんいる中で、自分は恵まれた状況にいるなと感じていたので、視野を広げ、自分たちの世代が格差があり他の世代より貧しく社会的に搾取されているのかに気づいて考えるようになったは最近のことです。

ということで、耐えて疑念を呈さない原因は

  1. 従順に上のことを聞いて自分の意見を言うことに慣れていない教育の成果

  2. 上の世代までは今までのやり方でうまく行っていたことからの刷り込み

  3. 女性が働きやすい社会へ「変わる」実感があり、他の問題点に無自覚だった

になるのかなと思います。バームクーヘンのように刷り込みが層になっていますよね…

そうこうしている間に、同世代が管理職になっている今、自分たちが取り組んでいる仕事が結局社会のためにどんなインパクトをもたらすのかを考え、ビジョンを描き出し、周りの人を自然と巻き込むことができる管理職の人間がほとんどいない状況になってしまいました。私もできていない、と忸怩たる思いです。それじゃあイノベーションなんて起きないよね、部分最適のことばかりで、本質的に社会を良い方向へ変えていくことには役立たず(なんなら社会を悪くしてることさえあり)、みんなが「つまらない」と思いながら粛々と目の前の指示された仕事をそつなくこなしていくような日本の企業が増えてしまっているんだろうなと思っています。

子どもの学校教育だってそうです。私たちの親世代が、自分で考えることが大事にされない教育に対して「それじゃあダメなんだよね、だって今私たちの企業では自分で考えれない人が増えてしまって困った事態になってるのだから」と本来ならばもっと声をあげていかねばならないんだなと思います。

私の身の周りでは、「人任せにせず、自分の意見は何なのか、やりたいことは何なのか、どんなことを目指しているのかを考えないこと」に端を発する問題が一気に噴出している状態です。 
私の仕事上での悩み、子どもの不登校から改めて考える子どもとの関わりや教育のこと、私の残りの人生をどんなことのために使いたいのか。

遅まきながら、という気はもちろんするのですが、私は人生の戦略を自分できちんと立て直し行動していきたいと思います。

読んでくださった方、ありがとうございます。何事も歩みの遅い私の励みになっています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?