黄金の三日間の過ごし方
こんにちは。小学校教員のファニチャーです。
もう始業式は終わりましたか?
毎年思うのは、なぜ、始業式をもっと遅い時期にしないのか、ってことです。
初任の先生とか配属3日で子どもと対面ってキツすぎですよね…
ただでさえ、会議ばかりだし、教室も整備しなくちゃならないし…
それはさておき、始めの1週間は学級経営においてとても大切だとされています。
特に始めの3日間は『黄金の三日間』なんて言われていますよね。
→そんな重要なら時間をくry
では、その1週間、特に黄金の3日間はどう過ごせばいいのかを書いていきたいと思います。
もっと早く書いておけば今年度生かせる人も増えただろうに…笑
いや、今からでも使えますよ!遅すぎることはないのです。ぜひ明日から使ってください。夏休み明け等も使えますよ。
①なぜ黄金の3日間?『教員の権力は子ども以下?』
そもそもなぜ黄金の3日間というのでしょうか?
それは、『先生も子どももお互いが様子見している期間だから』です。
ここで勘違いしてはいけないのは、けっして「先生が舐められないために厳しくする期間ではない。」ということです。
それは、困難校だろうと、中学校だろうと、高校だろうと同じだと思っています。
事実、困難校で多数勤務されている中村先生も、「ほめる、遊ぶ」を意識されていることがこの本からわかります。
この期間はきっと基本的には先生の言うことに従順でしょう。そのことに奢り、「教員の方が権力は上である!」と威張り散らしていると、すぐに子どもたちに見放されてしまいます。
なぜなら、はじめに従順なのは、「品定め」しているだけだからです。
クラスの大半の子が「この先生嫌い」「威張り散らしているだけやん」なんて思われたら、すぐに反旗を翻し、学級崩壊までまっしぐらです。
学級崩壊の原因は、手のかかる大物の子一人で起こせるわけではなく、集団のトップ層数人が教員を見放したときに起こります。
なので、この3日間で大切なことは、「子どもたちの信頼を勝ち取る」ことです!
権力で教員が支配できる時代ははっきり言って終わりました。
では、どのように子どもたちの信頼を勝ち取っていくのか、具体的に見ていきましょう!
②黄金の3日間、何をする? 「とにかく繋がれ!!」
私が4年生を担任したときのはじめの1週間の予定をお見せします。
よくわからないカタカナがならんでいますね。
これは全て『子ども達同士がつながるためのアクティビティ』です。
すべてこの本に書いてあります。
どんなアクティビティをするのか、ご紹介します。
つながるアクティビティ①セブンイレブンジャンケン
ペアで行います。
1回戦は片手ずつ、2人で合計7になるように指を出しつづけます。
『最初はグーじゃんけん』
で始まり、出せる指の数は0から5まで。
2人の合計が7になったら、
『イェーイ!』
と言ってハイタッチ(コロナ禍なら肘タッチ)をして別の人を探します。
2回戦は2人の両手を使い11になるように。
シンプルですが盛り上がります!
何年生でも、大人でもアイスブレイクにもってこいです!
時間設定は1回戦5分くらいでしょうか?
1回戦終わった後は、男女で関わっていた子、自分から声をかけていた子を褒めると、2回目はそのような姿が増えます。
つながるアクティビティ②じゃんけんチャンピオン
とにかくいろんな人とじゃんけんをします。
1回戦は3回勝った人から座っていきます。
連勝ではなく、3勝です。
これ面白いのが負け続けても楽しいんです。
というか、教員側が楽しい雰囲気を出すってことが大事ですね。
2回戦は3回負けた人から座っていきます。
今度は勝ち続けた人が最後まで座れないという。
このアクティビティは、もちろんいろんな子と短時間で関わるということも大切ですが、『概念崩し』の意味もあります。
子ども達の中には、『勝ちが良い、負けはダメ』という固定観念があります。
結果、運動会や日々の体育、休み時間にトラブルが起こりやすくなります。
しかし、そもそも勝ち負けを目的として上記のことはやっていませんよね?
体力を高めたり、協力する大切さ楽しさを学んだり、遊びを楽しむことが目的のはずです。
このジャンケンチャンピオンだって、早く終わるのが大切なのではなくて、楽しんだもん勝ちなんです。
それも、少しルールを変えるだけで負けた人がさも優勝者みたいになったりもする。
これは休み時間の遊び方にもつながります。
ドッジボールのルールをみんなが楽しめるように変えたり、鬼ごっこはタッチされてこそ面白いことに気づいたり…
この概念崩し、できると休み時間や体育のトラブルがグッと減ります!
つながるアクティビティ③マイフェイバリット
ただ1人ずつ自己紹介していくのもつまらない。
というかほとんど覚えられませんよね笑
このマイフェイバリットは、
『〇〇好きな〇〇です。』というのをテンポ良く回していくゲームです。
輪になった方がやりやすいと思います。
先生が手本を見せ、そこからスタート。
一周回ってきておわりかと思いきや、そのまま
『□□好きな〇〇です。』と2周目に入る笑
3周目の前に一度止めて、
『時間勿体無いので、好きな、と、です。も抜きます。』
『⭐️⭐️〇〇』
と3周目を始めます。
例を挙げると『サッカー佐藤』『給食田中』『ビビンバ加藤』みたいになります。
これが面白い。
短時間で何度も名前と好きなものを言うので、一度でわからなくても、なんとなくその人のことがわかるようになります。
できるならば4、5周と続けてもいいですね。
つながるアクティビティ④サイン集め
ただ自己紹介するだけではつまらないシリーズその2。
これは上記の本にはない、私オリジナルのアクティビティです。
プリントを用意します。
こんな感じです。
まずは、自分のサインを考えます。
このサインはいくつか条件があります。
1.10秒以内で書けること。
2.自分のサインだとわかること。
わからない子は頭文字を丸で囲むだけでオッケーとしておきましょう。
結構個性出て面白いです。
このサイン、これからの授業でもたくさん使えます。
『3人と説明しあったらサインしてね』
『ノート読み合った人とサインしあってね』など。
授業中の関わりに一役買ってくれます。
自分のノートに友達のサインがあると言うのは嬉しいものです。
その布石でもあります。
時間制限をつけないと、めちゃくちゃこだわる子がいるので10秒以内です!
目標は『クラス全員が〇人以上サインをもらう』とします。
〇人とできたら、両面色付きネームプレートをひっくり返します。
両面ネームプレートについては、こちらの商品がおすすめです!
少し高いですが、裁断しなくてもいいので楽ですよ。
ポイントは『全員』です。
自分だけできればいいではないのです。
ひとりぼっちの子、なかなか関わりに行けない子に声をかけないと、全員ネームプレートがひっくり返せません。
『ひとりぼっちのいないクラスにしたいよね?』なんて話をして、男女関係なく関わる子や、なかなか自分から行けない子に声をかけていた子を褒めるといいです!
実はこれ、『学び合い』の授業の練習でもあるのです。
『学び合い』ってなに?と言う方はこちらの記事を。
時間設定ですが、活動だけで15分くらい取ってあげれば、7人からサインをもらうぐらいなら、全員達成できると思います。
そして、出来る人はもっと先を目指すのも大事です。
『10人以上してる人もいるよ!すごい!』という声かけもあるといいですね。
ただ、あくまで全員達成が1番の目的なので、ネームプレートをひっくり返せない子がいたら、声をかけてほしいというのは伝えていくといいです。
つながるアクティビティ⑤ネームトス
この前日の宿題は、呼ばれたい名前を考えてくるにします。
そして、まず、呼ばれたい名前を輪になって1人ずつ言っていきます。
あだ名もオッケー。
ただ、自治体によっては〇〇さん呼びに統一さらているところがあるので、授業中は〇〇さん呼びでやろうね、と私は声かけしています。
→さん呼びを強制するのもどうかと思うんですがね…個人的には。
1年間、もしかしたら一生呼ばれ続けるあだ名だから真剣に考えてもらいます。
それでも変なあだ名を言う子もいます。
『ニャンニャン』『キング』
本人がオッケーならそれもオッケー。
嫌になったらその時話せばいいんです。
そして、ボールでもぬいぐるみでも何でもいいのですが、名刺代わりにして、輪になった状態で、どんどんそれを渡していきます。
渡す相手は誰でもオッケー。
ただ、渡す時に
『〇〇さん、⭐️⭐️です。よろしくお願いします。』
もらった人は
『⭐️⭐️さん、ありがとう。』と言います。
挨拶をし終わったら、渡し終わった人は、渡した人のところに入ります。
そして、次の人へ渡された人が移動します。
これを全員が終わるまで繰り返します。
このゲームの目的はとにかく名前を呼んで、聞くということです。
やる前に、名前を忘れた場合は聞いても良い、ということを確認しましょう。
ゲームの最後には、全員の名前を1人ずつ順番に呼んであげます。
『〇〇です。』
全員『〇〇』
『⭐️⭐️です。』
全員『⭐️⭐️』
のように。
文字だけだと伝わりづらいとは思うので、ぜひ上記の本を読んでください!
つながるアクティビティその他
今はいわゆる学活としてやる、アクティビティを紹介していきましたが、教科の時間でも繋がることを意識します。
例えば国語であれば、教科書の始めの授業は、だいたいどの学年も話す聞くのアクティビティだったりしますよね。
それに加えて、私はクラスで
『オススメの本紹介』もやります。
好きな本を1冊持ち寄り、ペアを何度も変えながら、魅力を語ります。
先生のお手本も忘れずに!
算数では、先程紹介した『学び合い』で、協力することの良さを体験します。
前学年の復習でやると、一人一人の得意不得意、人間関係、サボりぐせなども見とれるので、オススメです!
→この時点では私は指導はしませんが。
あくまでも信頼関係の構築と子ども同士のつながりを大切に、前向きな声かけをします。
ペアやグループでの話し合いや時間はたくさん取りたいですね。
席の近くの子と話せるだけで、年度はじめは安心するものです。
最後に
黄金の3日間の過ごし方、いかがだったでしょうか?
この言葉のイメージは、規律やルールを徹底するイメージだと思うのですが、それだけでは現代は不十分だと考えます。
もちろん、規律やルールをしっかり指導することは信頼につながるので必要ではあります。
ただ、厳しくする必要はなく、繰り返し徹底することが大事ですね。
その厳しい指導は、先生と子ども達の信頼関係ができてからでないと、反発されてしまいます。
ゲームやアクティビティをすると、楽しみながら指示を聞く子に育ちます。
なぜなら、ちゃんと聞かないとつまらないから。
クラスメイトとつながる、楽しいクラス、指示がわかりやすい、話しやすい、約束を守る→『信頼を勝ち取る』に繋がるんですね。
参考になれば幸いです!