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三度呼ばれて吉野山
「呼ばれている」というのはどういうことか
2023年は複数回訪れる場所があった。
そのひとつが三度行った奈良県の吉野山。
コロナ禍にオンラインで定期的に話していた時に教えてもらった「ルチャ リブロ」に行ってみたいというのがきっかけ。
教えてくれたのはわたしが知る中では断トツの本好きで吉野在住の友人で、話すたびに色々な本を教えてもらっていた。
その人が吉野でおすすめ!と教えてくれた場所、ルチャ リブロは人文系私設図書館で、東吉野にある。
行けなくはないけど、アクセスも考えるとまる1日使って行かなくてはと思い、その時機を考えていた。
この日なら行けるかなと目星をつけ、ある時「そろそろ行ってみようかな」と話したところ「わたしも行きたい」と声を掛けてくれた別の友人と教えてくれた張本人で盛り上がり。
「4月までならスケジュール調整しやすいから、ぜひ来て!車出しますよ」と言ってくださって日程が決定。
ルチャリブロと周辺の神社も回ってくださった。
その後吉野に行った話をしたら、何人かが「わたしも行きたい!」
「じゃあ行こう!」
と1回目の吉野からおよそ1ヶ月で行くことが決定。
ちょうど金峯山寺で日本最大秘仏本尊の御開帳のタイミングと合って、見に行きたいというメンバーがいたので、金峯山寺周辺を中心に。
そして先日、三度目は白みそづくりの講座に参加した。
どの日も共通しているのは、とんとん拍子に日程が決まること。
普段は何かとそれぞれ忙しくて、なかなか日程が合わないこともあるのに、すんなり決まって行ける。しかも、道中も帰り道までスムーズ。
これを吉野の人たちは「呼ばれたんだね」と表現してくれた。
吉野には「呼ばれないと行けない神社」というのがあるのだけれど、どうやらその神社だけに限ったことではなく吉野という場所がそんな場所なのではないだろうか?という話題が出たくらい。
ふりかえってみると、呼ばれたから良いとか呼ばれなかったからダメという単純なものではなく。
いうなれば「此方の都合とあちらの都合が合う」ということのようだと感じる。
思うに、こちらの都合や行きたい思いや意志だけでもうまくいかない。お互いの「日々の流れ」のようなものがどこかのタイミングでほんの少しの間、重なるところでベクトルがお互いに向くということだろう。
閉じながら開く
もうひとつ。吉野で話して印象的だった言葉が「閉じながら開く」だった。
何を「閉じながら開く」のか。
結界のようなものなのだろうかとイメージした。
それぞれの暮らしを大切にするために、その時々にちょうど良い相手との距離感を保ち続けられること、と表現すればよいだろうか。
決して閉鎖的なのではない。ただ時機が合うのかどうか。
ふと「呼ばれる」と「閉じながら開く」ってどういうことなのかを考えて、近いかもしれないと思い浮かんだのは星の動きだった。
占星術で用いるホロスコープの解説によると。
星がホロスコープ上を一周する周期がそれぞれ異なる。
星と星が出会う時機、期間はどの星とどの星が出会うのかによって異なる。
出会う時機が来れば、ジタバタしなくてもものごとは進んでいく。
どうも今年、わたしは吉野山との縁が強い時機だったよう。吉野で素敵な方々と出会うことができた一年。
わたしに吉野を開いた場所
吉野とのご縁も大切だけど、ご縁には一方的に「呼ばれる」だけでなく、わたし自身が「行ってみたい」と気持ちを傾けることも重要な要素。
そのキーになったのは、カフェCrosspot だろう。
吉野に行ったら必ず寄ったお店。
とても心地よくて、どの食べものもとても丁寧に考えて作られていて美味しい。毎回おなか一杯でも何か食べてしまうし、何を食べるのか迷う。
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このカフェでは、時々「クロスポット キャスト」という配信番組をしていて、吉野へ行く前からこのポッドキャストを教えてもらって時々視聴していた。
ここでまず吉野に暮らすさまざまな人を知り「会ってみたい」と思ったことは、きっと縁を引き寄せた要素なのだろうと思う。
吉野に呼ばれる人々と出会う
吉野という地でわたしが出会う人の多くは、何かのタイミングで移住した人たち。
きっとわたし以上に呼ばれてやって来たのではないかと思う。
薄っすらとではあるけれど、移住にまつわるさまざまな話題も聴けそうな気がしている。
まだまだわたしは聞いてみたい話、行ってみたい所もある。
吉野もフィールドのひとつとして、次に呼んでいただけるその時まで温めておこうと思っている。
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