「選ばれたい」からの解放
むちゃくちゃ、余談だけど。
新書のちょっとしたキャラクターが最近気になっている。
TOPにした、集英社新書から先日発売された勅使川原真衣さんの<働くということ「能力主義」を超えて>を読み終えた。
勅使川原真衣さんは前著<「能力」の生きづらさをほぐす>で、これまでのモヤッとしていたことを教育社会学を用いながら語っておられ、その後書店イベントで素敵なお人柄にもふれ、注目している方の一人。
今回の本も楽しみにしていた。
わたしは読みながら、自分の暗黒時代のことを思い出した。
何をやっても周りと噛み合わなくて、何故だろう?と途方に暮れていた時。
自分なりに色々とやってみたけど、策も尽きて途方に暮れた末「みんなそれぞれの幸せに向かって行動している」に行き着いたことがあった。
だからといってその状況を受け容れられなくて、その後もしばらく悶々としていたが、からくりに気づいたことで自分が全て背負わなくていいかと思えた。
あの時の安堵感をこの本にも感じた。
なぜこのエピソードを思い出したのか。
この本に書かれていることは、関わる双方が「選ばれたい」の希求から解放されるヒントだからかもしれない。
この本に書かれている、対話の大切さやひとりひとりの持ち味を知り、組織の中で組み合わせることの大切さは、おそらく人と関わる中で感じたことのある人は多いと思う。しかし、やるは易けれど成るは難し。
この本は「だから上手くいかなくても、しかたない」と諦めさせないところが勅使川原さんの魅力だなと思う。
難しいけど、うまくいかないこともあるけど、でも諦めずにやっていきましょう、と伴走感を感じる。
ちなみに。
本を読む間、声が聞こえてくる気がするくらいに自然な文体。
次に会ったら「テッシーーー」と呼んじゃいそうなくらい、さらに勝手な親近感を感じる。
今月はまた新刊が出るそうなので、そちらも楽しみにしている。