【オフラインマーケティング】 フーコットの小売戦略
ディズニープラスのとんでもない守備範囲の広さを知ってしまい、いつ映画のまとめ見をするかしか考えられなくなっている朝です。 #この前見たスパイダーマンに引きづられてる #サブスク1ヶ月分で仕留めたい #貧乏根性が抜けない
“あなたよりあなたごと”
エコノミック作家の木場 晏門です。
この前調べ物をしていたときにたまたま見つけた、埼玉発祥のスーパー「フーコット」さん。軽く調べてみると、面白そうだったので、細かく情報を拾ってきました。#ちなみにフーコットHPの読み込み速度がびっくりするくらい早い笑#無駄を省くがここにも現れてる
ヤオコーの子会社フーコット
埼玉方面では有名な大型スーパーヤオコーの子会社として2021年8月に誕生したのがフーコットです。#超最近
2017年に子会社とした横須賀を本拠地としているスーパー「エイヴイ」の売り場設計を参照したものと思われ、その形をもとに大手スーパーの「トライアル」クラスの規模感で展開し始めたのがこのフーコットという形。 #スーパーの名前が乱立していて見づらいですね #ご勘弁を
徹底されたコストカット戦略
フーコットの話題の要因としては「新鮮・多品種・低価格」が中心です。 #スーパーなら揃えたい理想の三拍子
それが実現できているのは、 徹底されたコストカット戦略があってこそと言えます。 1つずつ紹介しますね。
① 大量陳列によってコストカット&ダイナミックな演出を実現した陳列配置設計
フーコットの特徴として、一種類当たりの陳列量がとても多いという所があります。長持ちする商品だけでなく、特に生鮮食品に関して、ダイナミックな陳列がされているんです。COSTCO(コスコ)なんかがイメージに近いでしょうか。新鮮な食材が大量に陳列されているのをみると単純にテンション上がりますよね!#私は上がります笑
それに、品出しなどの補充回数が大幅に減るので、人件費を大幅に削ることができるわけです。ちなみにこんな感じです↓
※画像はイメージです。
② データに基づいてバイヤーが毎朝仕入れるので売れ残りがない
しかし、そこで1つ問題が浮かび上がります。
「そんなに沢山陳列して、売れ残ったらどうするの?」
これですよね。私はフーコットさんの戦略から多くのことを学ばせて頂きましたが、中でもこれが一番感銘を受けました。売れ残りの対策として、徹底したデータ管理のもと、毎朝バイヤーさんが仕入れを行なっているんです。
逆にいうと、コストカットを推進していく上で、バイヤーさんを雇うための予算には十分なゆとりを持たせて、仕入れに力を入れているとも言えます。これによって、売れ残りを大幅に削減し、売り上げも安定し、コストカットも実装でき、内装としてもインパクトを与えることができているという訳なんですね。
③ 広告、壁紙、音楽なし
さらにフーコットさんは、壁紙を使用しておらず、広告掲示すら行っていません。店内に流れる音楽すらないというのですから驚きです。これも、まずは試すところから始めて、そこまで大きな違いが見受けられなかった事と、メリットデメリットを考慮して採用されたものだそうです。
とりあえず短期的に試してみるのは自由だし、そこまで大きな余波もないわけだから、業界の既定路線になっている仕組み1つ1つ目を向けて、面倒くさがらずに丁寧に試験的変更をしてみる。これが大切なんですよね。
④ 冷やす必要のないものは常温(卵、こんにゃく、水など)
これも、単純な工夫なようで盲点です。管理コストも品数が増えれば膨大ですから、衛生管理上必要のない工程は削減する。徹底されてますね。
ここで覚えておきたいのは、フーコットさんでも、「全方位的に工夫やこだわりを徹底する事はできない」という事です。ここまで徹底した方針を実行するには、他は並みでいいから「ここだけは常に目を光らせるポイント」を明確にしなければなりません。フーコットさんの場合、その基準をコストカット一点に絞ったからこそ、付随した工夫については徹底ができているのだと私は分析しました。
⑤ 決済は現金のみ。
これも面白いですよね。若干時代錯誤な気がしないでもないですが、本当に改善が必要であればフーコットさんも決済種別の追加に踏み切るでしょう。
これもひとえに「コストカット」に重点を置いた結果だと思います。この場合のコストは、決済導入や維持コストではなく、決済トラブル(エラーや説明対応)などを指しているようです。
【結論】中途半端は、一番迷走する
いかがでしょうか。フーコットさん、とにかくコストカットを徹底しているのがよくわかると思います。ここで注目したいのが「照準を絞って、振り切っている」という事なんですよね。
コストカットできる範囲でそれなりに 人件費もそれなりの落とし所で 集客戦略も月並みに
ほとんどの商売はこういった考えに落ち着きます。
悪くはないですが、こういった戦略をとると、時代の変化などで、経営が傾いた時の経営判断を難しくしてしまうことが多いです。中途半端は一番迷走します。
では、照準を絞って振り切って、徹底的にこだわったら何がいいのか?
答えは
「これだけ徹底的にコストカットして見えた課題なら、仕方ないね!」
と、結論がはっきりするので コストカット以外の改善に自信を持って踏み切れる事
がメリットです。
全ての取り組みを中途半端に、それなりでやってると、どこをどう改善したら良いかもわからず、判断にも根拠や自信がなくなっていきます。でも、こうして一箇所ずつ徹底的に検証していくことで、自ずと
「ここに関しては、少なくともこれじゃダメだ!」
「あの部分はこれ以上どうしようもない!」
など、明確な答えを持つことができます。
だってフーコットさんに小売業のコストカットについてアドバイスを頂いたり、これはコストカットだけではどうにもならない、と言われれば、ぐうの音も出ませんよね??
そういった限りなく確からしい情報を積み重ねていく事が、一番の経営財産であり、経営戦略です。これは仕事の取り組み方にも非常に参考になるケーススタディーになると思いましたので、今日は紹介させて頂きました。
ぜひご自身の取り組みの工夫に、何か1つでも取り入れてみてください!