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子育てを通じて変わる生活感覚

子供が生まれると妻の性格が変わるのではない、五感が変わるのだ

子育て世帯の友人たちとオンライン通話をした。母親をやっている友人から聞いた中で1番面白かったのが旦那のいびきの話だ。

子供が生まれてから聴覚がすごく敏感になった。赤ん坊はちょっとの異変でもすぐに起きないと下手したら死ぬ可能性がある。環境適応の結果聴覚が研ぎ澄まされたが、その影響で旦那のいびきが気になるようになった。

実際、いびきのせいでせっかく寝かしつけた子供が起きてしまい泣き出すので、旦那に殺意すら覚えるようになった。二人で暮らしていた時は全く気にならなかったのに。

近々いびき防止用のグッズをAmazonで買って試す予定。

世間でいうところの「子供が生まれてから妻の性格が変わった」というのは、性格ではなくて五感が変わって、今までスルーしていたことが気になるようになったということではないか。

人間の性格は"優先順位の集合体"である。同じ環境でも、受け取る情報が異なれば優先順位は変わる。子供優先の生活に五感が適応していない旦那からは、「嫁の性格が急に変わった」ように見えるのだろう。

子供との接触時間の違いが適応度合の差に繋がっているのかもしれない。

幼稚園が眼中にない子育て世帯

絶賛子育て中の同年代に話を聞くと、「幼稚園は基本2時までしか預かってくれなくて、時間延長もあるにはあるけど・・・」と、暗に「幼稚園は選択肢として論外」というニュアンスを醸し出している。

共働きがこれだけ増えているのだから、専業主婦を前提とした幼稚園が時代に合わないのは当然の話である。

こちらの本では「幼稚園は一部のブランドを除いて定員割れを起こしているが、それでも国からお金が出るので別の活用方法を探るインセンティブがない」とある。土地の有効活用を阻む形で税金が投入されているのは酷い話だ。

子供を良い保育園に入れるために、親が職場から遠い場所に住んでる例もある。通勤時間が伸びることで、日本の労働時間が削られている。

この本は子育て分野の政治課題を実によく捉えていると感じた。保育は特定の地域が頑張っても周辺から人が流入して待機児童が減らない。本当は足並み揃えてやりたいが、市区町村が運営主体なので、統一的な施策が打てないという問題がある。

いじめ問題が「現場に最も近い市長に権限がなくて、直接手を打てない(都道府県がのんびりと調査をしてなし崩しになる)」のとは対照的だ。

子育て世帯の旅行感覚

子供が小さい(0〜2歳ぐらい)世帯にとってはやはり近場が安心という心理が働くようで、沖縄などがファーストチョイスになる。

飛行機の高度が変わる時に耳がキーンとなる感覚で子供が泣き出してしまわないように、離陸と着陸時に飲み物を飲ませる(耳から空気を抜く)なんていう小テクを使っていた。

しかも、フライト中に子供が寝るように睡眠サイクルまで調整して、見事にノーストレスな空の旅を楽しんでいた。

小さな子供を抱える親にとって、「おむつ台がどこにあるか」「ミルクのためのお湯をどこで調達するか」といった事項が重要で、それを満たすインフラがすぐに調べられる(日本語で探せる、尋ねられる)のは安心材料になるのである。

さて、この日の集まりはオンラインでの開催だったが、子供の体調不良などで2組が当日欠席となった。保育園に入るぐらいの子供はとにかくよく熱を出す。

物理的距離に縛られないオンラインの集まりですらこれなので、小さい子供の子育てノウハウ共有の機会は相当限られそうである。しかも、当事者になる期間は限られているので、利害関係者じゃなくなったら忘れ去られてしまう。

私にとっては最高な社会勉強の場である。

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