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がんとの闘いは体だけでなく、心も試されるらしい

「え? がんって、私が?」と頭が真っ白になったのは、今年の夏のこと。30代にして、まさかの乳がん告知。それ以来、私の生活はまるでジェットコースターに乗っているかのように、感情が大きく揺さぶられる日々。怖いけど、どうにかして前を向かなければならない。そんなある日[手相占い1000円]の看板が目に留まりました。


突然の乳がん診断

30代の私は、キャリアも充実し、将来に多くの夢を抱いていました。楽しいことばかり考え、週末の予定や新しい仕事のプロジェクトにワクワクしていた矢先、突然の「乳がん」の診断。

その瞬間、頭が真っ白に。告知を受けた直後の私の反応は、例えるなら、冷たい水を顔に浴びせられたようなもの。診察室を出た後も、足がふらふらで、現実味がまったくありませんでした。「乳がん」と言われても、どう対処していいのかも分からず、ただぼんやりと家まで歩いていたのを覚えています。

そして、「周囲にどう伝えるべきか?」という悩みが頭をよぎり始めました。家族や友人に言ったら、きっとみんな心配するだろうし、「がん患者」として見られることへの恐怖もありました。がんという病気を持つことで、私の見た目や振る舞いが変わるわけではないけど、周りの目は変わってしまうかもしれない。そんな思いが、私の心にずっと重くのしかかっていました。


手相占いに託した健康の行方

そんな中、ふと「手相占いに行ってみよう」と思いついたんです。普通なら占いなんて行かないんですけど、告知からの不安な日々が続く中で、何か別の形で「自分の健康」を見てもらいたくなったんです。医学的には「がんです」とはっきり告げられましたが、手相で見たら何か違う答えがあるかもしれない──そんな期待を抱いていました。

占い師の前に案内され、私は「健康について見てほしい」と手を差し出しました。じっくりと手のひらを見つめる占い師の姿に、少しドキドキしながら、何を言われるのか待っていました。

そして占い師は、静かにこう言ったんです。

「手相を見る限り、大きな病気は見えませんね。ただ、少しお疲れのようですね」

「え?」その瞬間、思わず心の中でツッコミました。いやいや、実は乳がんなんですけど…、と思いながらも、どこかで安心した自分がいました。「がん」という大きな病が、手相には全く映らなかったことに、少しほっとしてしまったんです。まるで、自分がまだ元気でいられるかのような錯覚に、ちょっとだけ救われた気がしました。


手相占いがくれた「安堵」

占い師の言葉には、「大丈夫、今後はストレスをためないようにしてくださいね」というアドバイスもありました。具体的にがんについて触れられることはなかったけれど、その一言に少し救われたのを覚えています。だって、その瞬間だけでも、自分が「普通」でいられる気がしたんです。

もちろん、手相占いががんを治してくれるわけではありませんし、現実の問題が消えるわけでもありません。でも、その小さな体験は私にとって、一瞬の安らぎを与えてくれました。「大丈夫だ」と思える時間を持てたことで、少しだけ前向きになれたのです。


がんと向き合うこれからの日々

人生はいつ何が起こるか分かりません。私も「まさか自分が乳がんになるなんて」と思っていました。
がんを抱えて生きることは、もちろん簡単なことではありません。だけど、これからも私は自分のペースで未来に向かうしかない。キャリアも恋愛も、将来のことだってまだまだ楽しみたい。だから、がんに振り回されるのではなく、どう向き合っていくかを大切にしようと決めました。

今回、手相占いを通じて気づいたのは、「大丈夫だ」と感じられる瞬間があるだけで、心が少し軽くなるということ。現実は厳しくても、どんな形であれ自分を励ましてくれる何かがあると、心に余裕ができると実感しました。

これからの道のりは、まだまだ分からないことだらけ。でも、手相に刻まれた未来がどうであれ、まだまだやりたいことがたくさんあるなら可能性を信じて自分のペースで日々を楽しみながら進もう。

人生って、本当に予想外のことばかり。それでも、自分にできることを少しずつ重ねていくことが大事なんだと思います。希望は、いつだって手の中にあるもの。どんなに小さくても、その希望を握りしめて、怖いけど前を向こう。