かわいい語録3/7
恋人の誕生日、もうプレゼントは先に渡してあって、お互いに仕事なのでそれこそパーティーなんかは無理だが、仕事の後に真っ直ぐ彼はやってきた。
「今週は忙しいから、仲良くするのは今日ではなくて明日か明後日はどうかなぁ」と言う私に、日頃なら引くのになかなか引かない。
「いやだっ!新しいゴム買ってきたし、今日抱きたいっ!」
有無も言わさずに覆い被さってきて熱っぽい視線で見つめて、抱きすくめてキスをやめてくれない。
誕生日のお祝いは一応したんだけど、今日が本番だからかな…と思いながらも結局めちゃめちゃ可愛がってくれるのでそのまま応じてしまう。
「誕生日だねえ、今年のあなたの抱負は?」と尋ねたら
「ずっと毎日一生あなたのそばにいること!」
と女子大生みたいなことを大真面目で言う。
「俺にとっては毎日あなたに会えるから毎日が記念日なの」
あらあら、可愛いこと…。
いつもより丁寧に愛撫され、お互いに心身が満たされた後
「俺は毎日、あなたのガラスのように鋭い綺麗な仕事の顔がね、満月みたいに優しく丸くなるのが見たいの。その顔が見たくて、仕事も仕事の後も頑張ってるの」
私の満月のような顔。それは自分では見られないけれど、きっと柔らかいものなのだろう。
恋人は私が知らない私を知っている。それも不思議な気がするものだった。
来年も一緒に楽しめたらいいな、と思うのだった。