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サポーターの五大「残業居残り」事件

Jリーグサポーターは試合中、試合後、試合前に、様々な方法で応援パフォーマンスを展開している。あまり共感を作れない方法ではあるが「残業居残り」と呼ばれるパフォーマンスがある。これは、不甲斐ない試合後や強化方針等を巡って抗議の姿勢を示すために、試合終了後にスタジアム内にサポーターが残るパフォーマンスのことをいう。

「残業居残り」はなぜ発生したのか?

これまで、様々なクラブのサポーターが多種多様な理由で「残業居残り」を行ってきた。その中から、大規模な「残業居残り」や象徴的な「残業居残り」を今回は紹介する。

2008年12月6日 味の素スタジアム 東京ヴェルディ・サポーター

東京ヴェルディは最終節に敗れJ2編降が決定。元日本代表の福西が肘打ちで退場。既に日本テレビが支援を縮小する報道もありスタジアムは悲壮感に包まれた。試合後に監督の柱谷と主将の服部が挨拶。「ヴェルディは無くなりません!」と絶叫。多くのサポーターが試合終了後に萩原社長、小湊常務取締役との話し合いを求めてスタンドに居残り。試合終了から約7時間以上が経過した23時40分頃に「終電がなくなる」ということで収束した。社長は早々に帰宅していた。

2010年12月4日 日産スタジアム 横浜F・マリノス・サポーター

トリコロールの象徴ともいわれた元日本代表松田直樹、山瀬功治、坂田大輔らが契約延長されないことが報じられ、選手側から手続きへの不満が発信されていた状況の中での最終節。横浜F・マリノスは完敗した。試合後に松田直樹は「おれマジでサッカー好きなんすよ。マジでサッカーもっとやりたいっす!」と、歴史に残るスピーチ。サポーターは、セレモニー後も契約延長等を求めてスタンドに残った。試合終了から約6時間以上が経過した23時30分頃に「終電がなくなる」ということで収束した。サポーターは松田直樹との再契約を求める嘆願書を嘉悦社長に手渡した。

2016年7月23日 パロマ瑞穂スタジアム 名古屋グランパス・サポーター

監督系実務経験が無いにもかかわらずGM兼任の小倉隆史監督が大苦戦。残留を争う甲府にホームで1-3の惨敗。13戦未勝利で年間順位は降格圏の17位に。久米社長との話し合いを求めるサポーターが居残り。24時過ぎにスタンド外の照明が消され、瑞穂公園より退去命令。警察も出動し24時30分頃に収束した。

2017年4月29日 正田醤油スタジアム ザスパクサツ群馬サポーター

ザスパクサツ群馬は名古屋グランパスに1-4と逆転負け。10試合勝利なしとなり、サポーターはスタンドに居残り。森下監督と都丸社長に抗議した。スタンドから罵声が飛び交う中で若いサポーターから「塾サボってやる」との声。それに対して周囲のサポーターから「塾は行け!」「自分の人生がかかってるぞ!」「お父さんがお金を払ってるんだぞ!」「そうだ!もったいないぞ!」「塾は高いんだから。お願いだから行ってくれ!」「おっちゃん達に任せて塾は行ってくれ」と暖かいアドバイスが飛んだ。

2001年4月14日 駒場スタジアム 浦和レッズ・サポーター

浦和レッズ・サポーターの応援パフォーマンスを揶揄し、浦和レッズ・サポーターよりも先に「ゲットゴール福田」コールを行うなどした、FC東京サポーターの応援手法に反感を持ち、逆転負けのフラストレーション等もあって、試合終了後に浦和レッズ・サポーターが通称「出島」と呼ばれるビジタースタンドを包囲。FC東京サポーターが退出できなくなり「出島監禁事件」と呼ばれた。FC東京サポーターは本来とは違う出口へ誘導され、浦和レッズが準備したバスで退出した。直後に日立台で開催された柏×東京では「今夜は帰さない」「FC東京サポを囲む夕べ」といった横断幕が柏サポーターから掲出された。類似の事件としては埼玉スタジアムで発生した「ワニナレナニワ事件」がある。

最後に紹介した「出島監禁事件」はクラブに対する抗議行動ではないが、いずれも負け試合。多くは監督解任問題や選手の契約問題等が絡む。サポーターのフラストレーションが頂点に達したときに「残業居残り」が発生する。

「残業居残り」の支持率やサポーターの抗議パフォーマンスとクレーマーとの比較については、こちらの電子書籍をご覧ください。


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