「だいじょうぶだよ」と言ってね。
昨日は、月に一度の、名誉院長による私の診察日。
私は、数十年前に重いうつ病、強迫性障害、不安障害になって、心身にストップがかかり、どん底の底の底に落ち込んでしまったことがあります。
そこから、ありとあらゆる療法や服薬を受け、今ここに至っているのですが、今でも、月に一度の診察は欠かせません。
87歳の名誉院長は、いつも楽しそうに診察をしています。
名誉院長は、楽しいことしかしないんだそうです。
「診察はね、楽しいんだよ。」とニコニコしておっしゃいます。
本当は、大変な仕事でしょう。
でもニコニコ話を聞いています。
昨日、私は朝夕飲んでいる抗不安薬のせいか、眠くてしょうがないと伝えました。すると、
「ああ、それはね、あなたが良くなったから。
以前はね、大変な状態だったから、きついお薬飲まなくては駄目だったけど、あなたが良くなってきたから、眠く感じるようになったんだよ。
薬を減らそう。」
まあ、よかった。
長女も今年は気分の波が大きくなく、穏やかであることを告げると、
「だいじょうぶだよう。だいじょうぶだようと言ってあげてね。
安心するからね。
障害のある人は、お母さんの顔をよく見ているから、言葉だけでなくて本当に、だいじょうぶだよって伝えてね。」
そうなんですよね。
いつも、私の顔を覗き込んで、
「なんでそんなむずかしいかおしているの?」なんて聞いてくる長女です。
母親が、本当に「だいじょうぶだ」と思っていないで、口先だけだったらすぐ見ぬいてしまうのです。
ああ、たいへんだ。
「それで、あなた、いくつになったの?」毎月聞かれる質問です。
「74歳です。長女は50歳。」
「そうかあ、あなた、若いね。」これもいつもです。
本心なのか、お世辞なのかわからないですが、しゃきしゃきるんるん歩いてくる私は若く見えるのかもしれません。
「はい、毎週プールに行ってますから。」と言うと
「うん、頑張って泳いじゃ駄目よ。」との言葉。
そうです。なんでも、楽しくやりましょう。
頑張らなくていいんです。
プールもゆるゆる「楽しく」泳いだり、ウォーキングしたり、ストレッチしたりしてます。
頑張ったり、無理したりしないで、楽しく暮らすんですよね。
「ありがとう」を言って、たくさんほめて、それから、
「だいじょうぶだよう。」って言って、
長女が安心できるように。
全然、大丈夫でないこの世界だけど、長女の周りは大丈夫に整えて、安心して暮らせるように。
難しいけど、だいじょうぶ。
「だいじょうぶ。おかあさんもいい子になったから。」
と名誉院長に送り出してもらいました。
74歳でもいい子はいい子です。
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