茅の輪くぐりと銭天堂
毎年、六月末は、半年の区切りとして、神社で「茅の輪くぐり」が行われます。長女は、「輪くぐり」と呼んで、楽しみにしています。
そこで行ってきました。大國魂神社。大きな茅の輪を左に一回、右に一回、そしてまた左と、ぐるぐる回りながらくぐります。
躁状態の時の長女は、神社に行きたがります。なんとなく落ち着くのでしょうか。神社は深い緑に囲まれて、静かな空間です。澄んだ空気に、私の心も落ち着きます。
茅の輪くぐりを終えて、手を合わせ、何かを祈っているかのようなしぐさをする長女。半年間のお祓いはできたのでしょうか。
すると、雅楽の音色にのって、結婚式の列がしずしずとやって来ました。毎晩読んでいる「しばわんこ、きょうは佳き日」に出てくる神社での結婚式です。赤い傘も絵本と同じ。
神社の参道を抜けながら、先ほど買った「銭天堂」の本の話をします。
「しんせつなおじさんだったね。」と言う長女。
バスを降りてすぐ、いつも、駅前の本屋さんによります。トイレが近い長女は本屋さんのトイレを借ります。トイレから出ると、
「ぜにてんどうかいたい。」と言うのです。今までは本屋さんに来ると、ジャニーズのアイドルが出ている雑誌をかっていたのですが、なんと、今日は銭天堂。
しかし、困った。銭天堂は字の本なのです。長女は字が読めません。
子どもの本のコーナーに行って探します。でも、銭天堂シリーズは、字の本しかありません。
次第に長女は大きな声で、「ぜにてんどう。ぜにてんどう。」と騒ぎ始めました。その声を聞きつけた、年配の店員さんが、やって来ました。なんたって、店内に響き渡る大きな声なのです。
「何をお探しですか?」
「彼女は字が読めないのですが、銭天堂は、字の本だけですよね。」と私は聞きました。
すると、店員さんは言いました。
「お母さんに読んでもらおうね。これが1巻です。」といって、長女に手渡してくれました。やさしいおじさんです。素晴らしい解決策です。
絵本でなく、字の本を買った長女は満足そうです。銭天堂はテレビでアニメをやっているので、絵の本があると長女は思っていたのでしょう。紅子さん強烈ですものね。
大声で騒いでいた長女を静かにしてくださった店員さんありがとう。
お風呂上がりの絵本読み聞かせ、6ヶ月続いた「しばわんこ」が今日で終了。今日からは、「ふしぎ駄菓子屋、銭天堂」です。
(読むところが多いので、母は大変です。)