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児童精神科を探せ 国立高度専門医療研究センター編
児童精神科を探せ
わが子のことで児童精神科医を探している方はたくさんいます。精神科のクリニックが乱立する時代ですので、世の中に溢れる情報をキュレーションしていきたいと思います。さまざま切り口から児童精神科医を探していきたいと思います。まずは、数の少ない国立高度専門医療研究センターから始めましょう。
国立高度専門医療研究センター
Wikipediaによれば、国立高度専門医療研究センターは、6法人(国立研究開発法人国立がん研究センター、国立研究開発法人国立循環器病研究センター、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター、国立研究開発法人国立国際医療研究センター、国立研究開発法人国立成育医療研究センター、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)の総称である。各法人は、国民の健康に重大な影響のある特定の疾患等に係る医療に関して、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことを目的とする。
この中で児童精神科をもつセンターは、国立国際医療研究センター(千葉県の国府台病院の方)と国立成育医療研究センターになります。ただし、精神科と小児科でその特性が異なるように思います。なお、厚労省の国立高度専門医療研究センターの今後の在り方検討会での結論を見てみますと、
「国立精神・神経医療研究センターと国立国際医療研究センターの間における精神・神経疾患 :児童精神科医療は、年齢という縦軸と疾患という横軸が重なるような形で相まって病態解明と治療法の開発に取り組む必要がある。 このため、総合診療機能を持つ国立国際医療研究センター国府台病院では、精神科専門病院では対応できない小児特有の合併症対応や総合な能力を持った児童精神科医の育成に取り組んでいる。 さらに、関係するNC間の異なった視点によるアプローチから病態解明と効果的な治療法の開発につながることが期待できるため、引き続き、国立国際医療研究センターは、国立精神・神経医療研究センターや国立成育医療研究センターとの連携を強化し、児童精神科医療に取り組むべきである」
と記載されており、その中心が国立国際医療研究センターとなっています。
国立国際医療研究センター
その国立国際医療研究センターは、COVID-19でも活躍されている新宿にあるセンター病院と、千葉県にある国府台病院、そして国立看護大学校をもつ巨大センターです。その国府台病院はもともと国立精神・神経医療研究センターであったように精神科がとても強い病院であり、成人とは別に児童があるようです。精神科医なら一度は聞いたことがある病院です。デイケアやACTも発祥の地ですね。すなわち精神科ベースの診療です。特徴としては専門病棟を持っているようで、児童精神科としては珍しい開放病棟です。HPをみると日本で最古の児童精神科のようですね。子どものこころ総合診療センターが設置されていようです。
国立成育医療研究センター
一方で、国立成育医療研究センターは小児科ベースの診療となっているようです。国立成育医療研究センター自体が小児科の総合病院ですので、当然と言えば当然です。スタッフを見ても小児科医が中心のようです。ディスレキシアの専門外来があるなど、いわゆる学習障害への治療に力を入れているようです。もちろん、小児科の総合病院ですので、リエゾンと呼ばれる身体疾患をもつ子どもたちのメンタルケアにも強いでしょう。
いずれも予約制を取っております。その予約がどれくらい大変かは計りかねますが、このような大きな病院の予約は概ね取りにくいと考えるのが良いかもしれません。まずは、近くのクリニックなどに相談し、そこから紹介してもらうのがスムーズな気がします。
国立精神・神経医療研究センター
ちなみに、精神科の総本山である国立精神・神経医療研究センターには臨床としての児童精神科はありませんが、精神保健研究所にその部門はあります。知的・発達障害研究部と児童・予防精神医学研究部があるようですが、よく組織の再編成が怒るのでわからなくなるのですが、どちらかというと知的・発達障害研究部が主に活動している印象を個人的には持っています。
まとめ
国立国際医療研究センター国府台病院が児童精神科の中心であり、入院施設まで揃っています。小児科診療を中心にと思うのであれば、国立成育医療研究センターが良いでしょう。特に学習障害の相談には良いかもしれません。研究者は国立精神・神経医療研究センターとの連携を考えていくと良いでしょう。