そもそも児童精神科医のはいつからあるの?
現在でもあまり聴きなればい児童精神科という言葉ですが、一体いつからわが国にあるのでしょうか。少し調べてみると、国府台病院と梅ヶ丘病院の二つの名前が真っ先に見つかります。
日本で最も古い児童精神科で現存しているのは、現在の国立国際医療研究センター国府台病院になります。その歴史は1948年からですので、戦後すぐに児童精神科医療は始まったようです。国府台病院には精神科としては初めての院内学級が設置されたという歴史もあります。都立梅ヶ丘病院も1948年から児童精神科の入院治療を行ってきたようですが、現在は東京都立小児総合医療センターとして移転してしまいました。
学会はあるの?
児童精神科の歴史を語る上で日本児童青年精神医学会という組織にも触れておく必要があるでしょう。医師だけでなく、心理師やワーカーなど子どものこころの問題に関与する全ての職種が参加可能な学会となります。この学会の設立についても調べてみますと、国府台病院児童精神科の歴史の中にその設立が書かれています。
「国府台病院児童精神科の設立に関わり、その後も支え続けてくれた高木四郎先生は、日本児童精神医学会(現在の日本児童青年精神医学会)の設立にも大きく関与されました。高木四郎先生が児童精神医学会を発足させたいと考え、1960年1月16日に東京一ツ橋の学士会館で発起人会をもち、理事14名が選出され、初代理事長は村上仁教授、事務所は市川市国府台の国立精神衛生研究所におくということで正式に学会が発足しました。日本児童精神医学会は翌日の17日、18日に東大理学部2号館の大講堂で第1回総会を開催するに至り、その後1982年には学会名を日本児童青年精神医学会と改名し、現在に至っております。なお2019年には第60回総会が開催される予定で準備が進んでおります。」(国府台病院児童精神科の歴史、国府台病院ホームページより)
学会員の方々は日本児童青年精神医学会のホームページから過去の記事を読むことができます。第1号1巻も高木四郎先生が「わが国児童精神医学の将来」として日本の児童精神科医療の現状と未来を語られています。
過渡期におけるやむをえざる現象であるとはいえ,わが国の児童精神医学およびその隣接領域の仕事、ことに児童相談の仕事には、いろいろ考うべき問題が存在する。その欠陥を指摘して、その対策 について 2, 3の私見を述べた。精神医学の側においても,心理学の側においても、児童に関心を持っかたはいっしょに考えていただ きたいと思う.(高木四郎、わが国児童精神医学の将来、児童青年精神医学とその近接領域 1(1)2-12)
児童精神科医の幕開け
このようにわが国の児童精神科医療の始まったようですが、現在はどのようになっているのでしょうか。
これから機会を見つけて、児童精神科医療がどうなったのかを少しづつ書いていきたいと思います。