ECサイトブラッシュアップセミナー「第5回 ECサイトのWEB広告を用いた集客について」(前編)
ご挨拶
本記事にアクセス頂きありがとうございます。
このnoteでは、三重県の県産品を販売される方々に向けて、インターネット通販(EC)による販売活動の成功に必要な考え方やスキルを発信しております。
このアカウントについて
このnoteアカウントは、三重県雇用経済部 県産品振興課『県産品ECサイト等ブラッシュアップ支援事業』にて運用されています。
三重県内の県産品を扱う事業者の皆様が、今後効果的にインターネットを活用した販売活動を進めるうえで役に立つ情報を発信していきます。
全7回の「ECサイトブラッシュアップセミナー」の第5回目は、ECサイトのWEB広告等を用いた集客について前編・後編の2回に分けてご説明していきます。本ページは第5回の「前編」です。
WEB・SNS広告の活用
WEB広告には様々な種類がありますが、代表的なものは以下の4つです。
・検索連動型広告(リスティング広告)
GoogleやYahooの検索結果に、検索キーワードに連動させたテキスト
広告を出す広告手法
・アドネットワーク広告
WEBサイトに貼ってある広告枠を多数集めて「広告配信ネットワーク」
を作ることで、多数のWEBサイト上で広告を配信する広告手法
・SNS広告
FacebookやTwitterなどのSNSで広告出稿する手法
・リターゲティング広告
サイトに訪れた人を追いかけ、後日再度広告を配信する広告手法
広告を配信するには費用が発生します。WEB広告の主な課金形態は次の5つです。
・クリック(CPC)課金
広告をクリックすると課金される
・表示(CPM)課金
広告が表示されると課金される。多くはCPM課金(1000回表示ごとに
課金)
・視聴(CPV)課金
動画広告を視聴すると課金される
・エンゲージメント(CPE)課金
エンゲージメント(友だち獲得、シェアやフォローなど)を獲得すると
課金される
・コンバージョン課金
コンバージョンを獲得すると課金される
課金形態は広告を打つ目的によって適正なものを選択してください。
日本の主要WEB広告メディアとしては、Google、YouTube、Instagram、Facebook、Yahoo!Japan、LINE広告、Twitter、TikTokがあげられます。
WEB広告は何をするためのものかというと「集客」です。
ECサイトを運営する上で最も重要な指標は「LVT(Life Time Value)」です。これは1人の顧客が初回購入を起点とし、その事業(ECショップ)で買わなくなる(離反する)までの総利益を示す指標です。LVTを最大化するために様々なプロモーションを行いますが、WEB広告はサイト誘導および商品購入のきっかけとなるものです。
購買行動は「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入・申込」のような段階を追っていきます。各段階を促進させるために適した広告媒体があります。
「認知」→動画広告・純広告
「興味・関心」→ディスプレイ広告・SNS広告
「比較・検討」「購入・申込」→リスティング広告・リマーケティング広告
WEB広告には「ターゲット」「広告メニュー」「クリエイティブ」「ランディングページ」の4つの要素があります。
WEB広告を出すにあたって「ターゲット=誰に」を明確にする必要があります。ターゲットは第1回の講座でお話ししたペルソナをしっかり決めることでおのずと明確になります。「ランディングページ」については第2回の講座を参照してください。
ここでは「広告メニュー」と「クリエイティブ」について詳しく説明していきます。
「広告メニュー」はどこに広告を出すかという媒体です。ターゲットが決まったら、そのターゲットに適した媒体を選択します。
Google、Yahoo!は様々なサイトが設置している広告枠に横断的に表示されます。SNSではユーザーのタイムラインに広告が表示されます。TikTokなどは若い世代、Facebookは40代以上、というように世代によって好まれるSNSが異なるので、ターゲットに合わせた広告メニューを選んでください。
「クリエイティブ」とは、バナー・テキスト文書・画像・動画などの広告素材のことです。媒体によって出せるクリエイティブは異なります。
成果を獲得するためのクリエイティブ制作のポイントは次の5つです。
①訴求内容を絞る
最も魅力的なメッセージのみ端的に訴求する。複数の要素を入れない。
(Aという商品を訴求したければAのみ。他の商品を詰め込まない。)
②ターゲットを意識する
ターゲットのペルソナを意識し、ターゲットの思いにこたえる商品と
いうことを訴求する。
③LPとの整合性をとる
広告とLPは訴求内容を合わせる。ずれがあるとユーザーの離脱の要因
となる。
④入稿規定を守り、ベストプラクティスを参照する
各媒体の入稿規定を順守しつつ、ベストプラクティスも参考にする。
⑤ABテストを実施しPDCAを回す
デザインや訴求内容を変更した複数のクリエイティブを同時入稿し、
ABテストを実施(2週間くらいは放置して様子を見る。)また結果を
もとに改善することを忘れずに。
出稿したWEB広告の評価の方法と改善のポイントは次の3つです。
①広告がターゲットにクリックしてもらっているかどうか?
CTR(クリック率)=クリック数÷表示回数×100
適正ライン:Google広告0.6%以上、SNS広告0.8%以上
改善ポイント→ターゲット設定、クリエイティブ
②集客したターゲットが購入しているか?
CVR(コンバージョン率)=獲得数÷クリック数×100
適正ライン:ECサイトはおおよそ1~5%
改善ポイント→ターゲット設定、LP、購入フォーム
③適正な集客コストか?
CPO(新規注文獲得単価)=広告費÷新規注文獲得数
適正ライン:商材や利益率によって異なる
改善ポイント→すべて(ターゲット設定、クリエイティブ、LP、購入
フォーム)
ECサイト集客におすすめのWEB広告媒体はInstagram広告、動的リマーケティング広告(Google)です。
Instagram広告はブランド認知にも、獲得にも使える広告媒体です。媒体の世間イメージが良く、大きく広告表示できるため目立つのが最大のメリットです。機械学習の精度が高く獲得ができやすいですが、これを活用するためにはサイト内にPixelを必ず設置してください。クリエイティブは3~6種類程度入稿しましょう。
動的リマーケティング広告は、ユーザーが購入を検討していた商品や欲しいと思っていた商品、ユーザーの好みや興味関心に近い広告が表示されます。ユーザーごとに広告の中身が違うため、高いCTRやCVRが期待できます。
バナーやテキストはECサイトの情報から自動生成されるため、バナーの制作等は不要です。広告タグの設置や商品フィードデータの作成などが必要となります。
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