年収をあげるために今できること②戦略を知るために「兵法」を読む
兵法と言ってもヘイヘイホーでもなく、ガキの使いに出てくるヘイポーでもないです。兵法は2500年も前に中国で書かれた最強の戦争のための本です。書いた孫子は今でいう軍事=経営コンサルタント。戦い方=人の動かし方と闘いにおける人の心がわかりやすく書かれています。子供は「キングダム」。就活をはじめたら「島耕作」。社会人になったら「兵法」からスタートしてください。
冒頭で「戦争は国の大事である。だからそれを研究するのは当たり前だ」と書いてあります。「兵法」を片手に生きるための戦い。働くための戦略を立てることからスタートしてみてください。
★負け戦を避ける★『未だ戦わずして廟算するに、勝つ者は算を得ること多きなり、算多きは勝ち、算少なきは勝たず』
これは事前に戦略を立て勝利する要素が強いほうが勝ち、少ないほうが敗北する。無謀な戦を挑まずに勝てる相手に勝つことが優秀な将軍。リーダーとはそうあるべきだと言っています。仕事をしていく上で勝つことを考えてしまうかもしれません。特に戦略を立てる場合はそうです。違います。負けないこと、続けることが大切なんです。負ける戦いを賢く避けることが大切で次にいい陣形になるまで待てること、備えることことが勝つことなのです。
★一点集中★『我は専りて一と為り、敵は分かれて十と為らば、是れ十を以て其の一を攻むるなり』
1対10の戦力で敵が分散して10隊に分かれた場合、1点に集中すれば対等に戦える。個々の戦闘は兵力を集中させて集中して敵にあたれば小さな兵でも大きな兵に勝てることができる。これは現代にも言えること。なんでもできるは何もできない。得意が一点あれば勝ち抜けると・・。
私が食とヘルスケアのマーケティングサポートの専門代理店にしたのはこの一点集中の戦い方がベースです。広大な野原の総力戦では大きな資本に勝てませんが、狭い場所に持ち込んで得意な陣形にすれば圧倒的に優位です。しかもこの狭い場所は難しくかつ経験が必要です。また戦いに必要な知力という武器がすぐに揃えられないということもあります。またその武器はお金で買えない場合が多く、日々からの信頼が必要だからです。小さな組織でも外部のたくさんの有能な知力があれば戦いの土俵にたつことができます。
新卒の社員には、「自分が戦場にいると考えてください」と話すようにしています。まず兵力を上げるために自分の脳。脳を動かすために身体を鍛えてほしいと言っています。自分という兵力アップをするイメージをもつほうがわくわくするからです。現代の刀であるパソコンと携帯も普段から使いこなしていることが大切です。自分の腕の延長のように使えるように鍛錬することが大切ですよね。
私が兵法に興味をもったきっかけは司馬遼太郎です。子供のときに山口県住んでいたこともあり、20代に司馬遼太郎の幕末の歴史小説を貪り読むようになりました。そこで吉田松陰のことを書いた『世に棲む日々』が気に入り、松下村塾に興味を持ちました。倒幕を実現した熱い長州の若者をインスパイヤーしたのは師匠である松陰先生の滅私の生き方とそこで学んだ兵法であることがわかりました。
私は美人でもないし、むしろ逆でスタイルも全くもってよくないのに、若い時はたくさんの先輩や取引先の方に可愛がって頂きました。ですが仕事という土俵には若い女というだけで全く上げてもらえなかったような気がしています。商談に行っても相手にしてもらっている感じがしませんでした。しかし仕事の土俵に上げてくれたのは「兵法」と「論語」と「司馬遼太郎」です。そしてゴルフに麻雀に野球観戦に落語。これらの共通の話題でなぜか少しだ距離が近くなりました。もし年上の人との距離感に悩んでいる方、特に女性の方にも「読書」はおススメします。
働くというのは世代を超えること。そして自分より仕事のできる人、頭のいい人と関わることで自分の知らない世界に連れて行ってもらうこと。自分の信じている本業で稼ぐことで周囲を幸せにすることはとても素晴らしいこと。そしてたくさん雇用して納税することは社会貢献だと思います。