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組織に必要な正しい根回しと組織を腐らせる悪い根回し

人事異動や賞与査定のシーズンです。管理職同士で「あいつは使いやすいよ」とか「使いにくいよ」とか、自分目線で評価する人がいます。ある程度仕事のできる人は若くても自分の考え方や意見があるので少し使いにくいところがあって当然。そうゆう優秀な人材を会社の将来のために伸ばそうと思うか、自分の手足となってくれないからそいつは使いにくくて面倒な奴と決めつけてしまうのは上司の力量次第です。

「あいつはイマイチ」とか「性格はいいが仕事のスピードが・・」と前任の上司から聞いてしまうと、働く前にその人をそんな目で見てしまいがち。なぜなら管理職同士というのはお互い社歴が長いから、お互い同じ目線で見ていると誤解をしてしまうのです。実は前の部署で活躍できなかったのは自分たちの指導が悪いと思っていなことも多いからです。無難な人、地味な人を歓迎する風潮。とても怖いです。優秀な鷹ほどそこで爪を隠してしまうからです。

人は環境の生き物。優秀な人ほど上の喜ぶ人になろうとします。馴染むことは会社のためにも自分のためにも素晴らしいですが、客観的な評価が根付いていないと社内根回しばかりに走ろうとする人になっていきます。仕事ができて後輩も面倒も見れて根回しがうまいとよいですが、本業は誰かに任せて手柄だけ自分にして、根回しだけで出世した人が多い職場は中から腐ってしまうことがあります。

もっと厄介なのは上司や経営者が、正しい報告と他の悪い根回しと区別がついていないことです。若い人は割と敏感なのでわかっているのでその理不尽さの積み重ねが自分の会社を嫌いになる原因の一つでもあります。

正しい根回しとは経営判断を間違わないように正しい情報をインプットしておくこと。一方で悪い根回しとは、誰かをコントロールしようと意図して誤った情報を流したり、部下や同僚を陥れることで自分が評価されるというもの。組織というのは規模に関わらずそうゆう問題とリスクをいつも抱えているものです。

最近では、ベンチャーを全面に出している会社で、カリスマ経営者が行う部下の評価も客観性と公平性を保つのが難しいのです。やる気と貢献と忠誠は数値化できないからとかく個人の好き嫌いで評価をされてしまうこともあります。数字で縛るは意外にフェアーでないこともあります。本当の新規開拓と会社に問い合わせがあった案件の新規を回してもらうのは実は社内根回しだったりするからです。ベンチャーは意外にも好き嫌い、損得がはっきりと分かれます。

いつの時代も人が集まり、人が人を評価して報酬を変えると不満や不平、不公正が必ず出ます。「評価されたい」「出世したい」という思いは大切にしつつ少し平社員→主任→係長→課長→次長→部長→執行役員または局長→取締役という旧い旧い組織の在り方は少し不具合が出てきているかもしれません。22歳で入社して定年までコンベアのに乗せられるように段階的に出世するよりも、役に立つ人から重責を担うというスタイルに変わることは難しいのかな・・・と思います。


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