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本気モードにならないと成長しない

30歳までに苦しんだことは「自分はナニモノ?」だった。当時の女性は子どもが生まれたら専業主婦。子どもが幼稚園に入ってからのパートくらいの職業観だった。仕事で生きていくなんて壮大な夢もないかわりに、素晴らしい結婚をというのもなかった。毎日が楽しければそれでよかった。なので仕事をしていても腰掛気分が抜けなかった。

それが「仕事しなきゃ」本気モードという「このままじゃヤバイモード」に変わったのが広告代理店に入りすぐに管理職になったからだ。さほど経験がないのに「がんばりや」というキャラと「売上を上げた」という実績だけでクリエティブの管理職というディレクター職を拝命。

チームは11人。ほぼ年上のおじさんの部下。チームとも言えないチームを任されて本当に苦労したなんてもんじゃない。人徳もキャリアない私ができること。それは目の前の仕事のひたすら締め切りを守ることだった。寝てない食べてないギリギリな仕事。こんな仕事のやり方は数年しか続かなかった。リーダーとしてのスキルもないので現場仕事と実務に明け暮れた。

その後。PR会社に出会った。フィービジネスを知り、納品対価ではなくヒトにつくビジネスというものを知り驚愕した。そしてクライアントと作りこむ売れるコンテンツクリエティブの面白さを知った。何よりも生涯かけてやるべきクライアントに出会って一生の仕事にしようと思った。30代で一生の仕事にしようと思える仕事に出会えたのは本当にラッキーだ。辞められないからここにいるという人のほうが多いからだ。

この仕事に出会い、社内のスタッフの年収の比較よりもクライアントが満足しているのかのほうが気になるようになった。売れるサービスにすれば必然と収入はあがってくる。その仕事を30年近く経過した今も、続けられている。

企業のマーケティングサポートは外注として社内でできないことを効率よくコスパよくやること。そして売上に貢献すること。認知だけだとコストにしかならないのでは?という広告を長年作り続けていた私にとって、売れるとか反響があるというコトバが何より嬉しかった。

クライアントに評価されることが仕事のやりがいを連れてきてくれるということを理解した。会社に毎日行っているだけだと、どの方向に向かっているのかがわからない。「これで役に立ちたい」「これで生きていく」という決める瞬間が必要だ。私の人生で2回あった本気モードに変わる瞬間。1回目は「仕事を本気でやること」。2回目は「この仕事で生きていくこと」この2回があったら今があると思う。

ふらふらとなんとなく時間が過ぎていき定年までいられるのが理想ではあるがそれだけではなかなか生きていけないものだ。人生のどこかで本気モードになると自分がラクになれる思う。




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