西川広平編著『甲斐源氏一族』を刊行します
皆さまこんにちは、戎光祥出版の丸山です。
「シリーズ・中世関東武士の研究」の最新刊として、西川広平編著『甲斐源氏一族』を2021年10月上旬に刊行することが決定しました。
まずは、本書の目次は下記の通りです。
総論 甲斐源氏の実像と研究の軌跡 西川広平
第一部 義光流源氏の展開と甲斐源氏
Ⅰ 武田義清・清光をめぐって 志田諄一
Ⅱ 「坂東乱逆」と佐竹氏の成立――義光流源氏の常陸留住・定着を考える 高橋修
Ⅲ 甲斐国と武田氏 五味文彦
第二部 鎌倉幕府の成立過程と甲斐源氏
Ⅰ 甲斐源氏と治承寿永争乱――『内乱過程に於ける甲斐源氏の史的評価』改題 彦由一太
Ⅱ 源頼朝と甲斐源氏――その政治的地位と支配をめぐって 松井茂
Ⅲ 頼朝政権と甲斐源氏 木村茂光
Ⅳ 稲荷社を造営した二人の東国武士 野口実
Ⅴ 安田義定と遠江国支配 伊藤邦彦
Ⅵ 山梨・放光寺仁王像について 鈴木麻里子
第三部 甲斐源氏の由緒
Ⅰ 安芸逸見氏の系譜 秋山敬
Ⅱ 南北朝期 安芸・甲斐武田家の成立過程について――由緒とネットワークを中心に 西川広平
Ⅲ 南松院所蔵武田氏系図について――武田氏系図成立の一考察 西川広平
Ⅳ 「源氏南部八戸家系」の成立 柳原敏昭
付録 甲斐源氏関係略系図・関係地図・主要文献 西川広平
甲斐源氏とは、八幡太郎源義家の弟新羅三郎義光を祖とし、武田・安田・逸見・小笠原・南部など甲斐国を中心に全国に展開した一族です。
本書では、甲斐源氏の成立過程、治承・寿永内乱期を中心とした政治的動向、由緒の形成など、13本の重要論文と研究動向をまとめた総論により一族の特徴を探ります。
全国に繁延したことから、他の同様の一族と比較・検討する上でも、本書は重要な内容になっているかと思います。
ちなみに、編者の西川広平先生はすでに同じく弊社から編著の『甲斐源氏ー武士団の由緒とネットワーク』(山梨県立博物館監修、戎光祥中世史論集2)を刊行されていることから、同書との混同を避けるため、「シリーズ・中世関東武士の研究」では『甲斐源氏一族』という表記にしたことを、あらかじめご了承いただければ幸いです。