青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない (電撃文庫)
【僕の母親で居てくれたから産まれた絆を大切に育てて行く】
花楓のいじめにより、心を病んでいた母親と再会する事で、今度は咲太に思春期症候群が発症する物語。
花楓でいじめがきっかけで、母親が病んでしまい家族がバラバラになってしまった咲太の家庭。
皆それぞれが罪悪感を感じて、疎遠になってしまった心。
それでも、母親の会いたいという気持ちが再び家族の絆を手繰り寄せる。
取り戻そうとする花楓に、母親が居なくても妹を支えようと覚悟した咲太。
その決意が皮肉な結果になったとしても母の存在は。
悲壮な決意をした咲太にとっても本当は必要で。
これからの楓にとっても大切で。
家族の契を交わしたからこそ、哀しみ、喜び、苦しみを全て分かち合って、乗り越えていく姿には、心の奥底に抱えていた苦労が全て報われるような、張り詰めていた肩の荷が降りたような、清々しい家族の在り方としての結末があった。
改めて振り返るまでも無く。