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懐かしさが恋しい

仕事終わりにランニングを楽しむ。走った後はクールダウンで、自分の好きな曲を聞く。今日の曲は井上陽水の「少年時代」。

夏が過ぎ 風あざみ
誰のあこがれに さまよう
青空に残された 私の心は夏模様

夏が終わって秋に入り、青々とした木々が落ち葉に変わっていく季節。虚無感を抱きながら、過ぎた日々を懐かしく思う。

この虚無感に溢れた、夏の終わりの生ぬるい空気が香るような、そんな曲を仕事終わりに求めてしまう。

冷静になんでなんだろうと考えたところ、感性の欠如を体が悲しんでいるのではないかという気がしてきた。

人間タンパク質を取らないとささくれができるらしいのだが、毎日パソコンに向かってひたすら研鑽していると感性もクソもなくなってくる。資本主義社会の奴隷となった私は、世界の美しさを思い出して、知的ロボットから人間に回帰しようとしている。

人が懐かしさを感じる時は、何かしら感情が動いた時だと思う。夕暮れでオレンジの教室で嗅いだ机の木の匂いを思い出すのは、その教室で部活を精一杯頑張ったから。あったかい木漏れ日の中で、桜並木を通ったのは、新しい教室にワクワクしていたから。

感情のみずみずしさを音楽で取り戻そうとしていた私。自分で新しいものを作るにはこういった感性が必要だから、もっと心を自由にしなきゃ!

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