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オーディオアクセサリーについて。
趣味でオーディオを楽しんでいらっしゃる方の嗜好は様々ですが、その嗜好性を超越して割と議題に上るのがオーディオアクセサリーの使用について。
ワタシ個人としての考えは『調音や吸音などのアクセサリーは必要だけど、必要最低限の使用に限る。主体はオーディオ機器であって、アクセサリーありきのシステム構築はしない』です。
趣味の世界ですから、製品を壊さないように気をつけていただければ、あとはお好きなようにオーディオを楽しめば良いと思っています。アクセサリー類が大好きな方の気持ちも理解しています。
という、本来あまり積極的に調音アクセサリーを使用しないワタシが、再考を迫られる事態に陥っております・・
*個人的な思い。
仕事でオーディオと音楽に関わって、もう35年くらいになります。
常に最新のモノに興味を持ちつつも自分の判断基軸を持たねばイカンと思っておりますが、危険を伴ったり間違った機器の使い方をしていない限り、人さまが楽しんでいることに異議を唱えないよう心がけています。自分の基軸をブンブン振り回さないように気をつけていると申しましょうか。相談されたらキチンと根拠を提示しながら持論を展開しますけどね。
書きました通り、オーディオアクセサリーの使用については本当に様々な解釈と目的があります。機器そのものをチューニングする、または働きを活性化させるために積極的な加手を行うパターンとか。機器にはなるべく手を加えずに部屋の環境を整えるとか。ほんとイロイロです。
ワタシは『なるべく機器には手を加えず部屋の環境を整える派』です。そもそも手を加える必要がある機器は購入しませんし、メーカーが『コレで良し』と判断して発売した意思を尊重したい。だからまずはメーカーの『立ち方』をキチンと吟味理解しようと務めます。
6月よりアイレックス株式会社と業務提携したワケですが、この輸入商社は多数の海外メーカーを取り扱っていて、そのなかのひとつにSynergistic Researchがあります。ザックリ申せばアクセサリー類を多数製造しているメーカー。このたび自分の事務所で『同社のとても小さなアクセサリー』の装着実験を行ったので、今号はそんなレポートをしてみます。
*あれ?効くなぁ・・
コレ、試してみました。スピーカーや部屋に貼ったりして調音するヤツ。
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こんなちっさいチューニング材のセットです。
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取説が入っています。
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ワタシが使っているスピーカーは密閉型なので、ココ参照。
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*メインスピーカー、Harbeth P3ESR(旧型)に装着してみる。
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跡が残らず剥がせるらしい。
指紋認証もできるね。
うむ、効くな・・
音の雑味が消えてレンジが広くなるようなカンジ。試しに天板においた個体に耳を近づけてみたら、なんか音を発しているような気がする。そうか、スピーカーが発する共振ポイントを上手に見つけて、このアクセサリーからも適切な帯域を発声しているのか。しかし不思議だな。
*デスクトップスピーカーでも試してみる。
実は最も使用頻度が高いスピーカー。REVOXのPiccolo Mk2。
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色が違うでしょ?共振ポイントが違うらしい。
取説通りにやってみた。
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最終的にこんな図。
スピーカー間にあるディスプレイ(テレビ)にも貼ってみた。
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貼る位置によって音がコロコロ変わって面白い。
*実験のレポートです。
効きます!かなりの効果が発揮されます。
今回試聴したHFT Speaker Kitには3種類のHFTが7個封入されています。
ウチの事務所の場合、近接リスニングなREVOXの方が体感度が高かった。
まずTW下にHFT X。
これは高域の音が優しくほぐれる感じ。そして聴感レンジも広がったような。音像定位が明確になりますな。
そしてWF下に貼ったHFT 2.0。
低域の解像度が上がります。あとで紹介しますが、プリンスのアルバムに入っている名曲『BAMBI』の軽いスラップベースの音階がとてもクリアーになりました。
天板とディスプレイに貼ったのはスタンダードなHFT。
本来スピーカー天板にはHFT Xの特性が合っているようですが、Piccoloさんの高域はけっこう明瞭。おまけにデスクトップの近接リスニングということもあって、HFTの方がフラットに定位感が向上しました。
前述の通り、ワタシは機器に直接手を加える音色チューニングを避けたいタチですが、今回試したHFTはスピーカーに貼っても部屋の壁に貼っても効果が出るというアイテム。そういう意味ではルームチューニングの一環になるのかな?ちょっと苦しい言い分だな(笑)。
製品価格は決して安くないけど、でもコレだけの効果を得られるならば高くはないと思います。たまたま『モノがすごく小さい』から割高感があるけど、同等の効果を発揮させるルームチューニングを施したら、こんな額では施工できないです。
よかったら製品サイト、覗いてみてください。
*試聴盤の紹介です。
こんな音源で実験しました。まずはコレね。
先日投稿したけど再発の重量盤です。オリジナルはもうとっても高額。
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このアルバムで声とか楽器の質感をチェックしまして。
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ほんと、いつまでも素敵。
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ビンテージなモノですが、シェルケースは年代が違う。
重厚だけど決して遅い音ではありません。
*今号のまとめ。
冒頭でも書きましたが、オーディオは趣味なのだから各自好きにやればよいと思います。機械を壊さないよう配慮しつつ。
ワタシはBJ ELECTRICという『リーズナブルかつ超良品』を作るメーカーの販売元を務めながら、アイレックスが取扱う『超高額なハイエンドオーディオ機器』も手にするワケですが、どちらもチャンネルにおいても『ソレが欲しい!』とお声をかけて下さるお客様がいます。
オーディオ・エンゲル係数(?)はヒトそれぞれ。アクセサリーの使用やケーブル類への思いもヒトそれぞれ。今更ながらワタシもアクセサリーの使用について悶々し始めました。
楽しくやりましょう。
久しぶりにオーディオネタの長文書いちゃったな。
2024.8.14