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【演奏論】発音の大事さを学んだクライバーのリハーサル
こんにちは、ファゴット奏者の蛯澤亮です。楽器を吹いたり、youtubeやnoteで情報を共有したり、コンサートの企画運営をしています。一緒に人生を楽しんでいきましょう♫
さて、私は発音が演奏にとって大事だということをこのnoteでもyoutubeでも紹介しています。
音を出す時の発音によってかなり音のイメージが変わります。
誰にとっても初対面のイメージって大事ですよね?
その人がどんな人か、ファーストコンタクトでなんとなく感じますよね。実際はそんな人ではなかったとしても出だしで悪いイメージだとなかなか良いイメージになりませんよね?
それが音でもあるんです。
人は発音で音色を予測する
発音と音色は別か?
と考えた時に、やはり別だろうと考える人が多いと思います。
でも別ではありません。
音色が多彩な人は発音から多彩なのです。
つまり、人間関係と同じで、最初のイメージが音にとってもとても大事なのです。
例えば、快活な音を出したいのに発音が柔らかくにぶい感じだと快活な音には聞こえづらいものです。逆に暗い音を出したいのに発音がぱりっと硬めだったら暗いイメージはわきづらい。
これは端的な例ですが、そのように発音というのは自分が作っている音のイメージを変えるほど重要な要素です。
発音には言葉で表せない多様さがある
明るい、暗い、硬い、柔らかい。
これくらいなら簡単です。四つしか選択肢がないわけですから。
しかし、実際にやるべき表現はそんなものではありません。
もちろん、それは演奏家がどれだけ求めるか。その数だけ種類があるのです。
「音楽の素晴らしさは言葉で表しきれないたくさんの表情があることだ」
レナード バーンスタイン
このバーンスタイン の言葉が中学の教科書に載っていて、私は音楽の深みを見たいと思ったわけですが、発音一つとってもその多様さは計り知れません。
衝撃だったクライバーの表現
こうもり序曲のクライバーのリハーサル映像は有名な資料です。まだ40代だったクライバーの溌剌とした明快な指揮姿が見れます。
私がこれを見たのは中学生の時。
その時に衝撃だったのはこの言葉です。
「ここはまず産毛を感じてから肌に到達するような、そんな繊細な発音が欲しい」
これってなかなか出ない表現ですよね。すごく繊細。
あー、そういうこと?と思って、しばらくその感覚を自分の体を触って体験してみましたよw
変なことだと思うでしょうが、音楽家にとってこういう感覚は非常に大事なのです。ちょっとした感覚を音に取り入れる、表現の糧にするというのは演奏家のあるべき姿だと思います。
ここから、あー、発音というのはこんなにも深いんだなぁと感じたのです。「深いなあ」と中学生の時には感じたかといえば大袈裟ですが、それだけバリエーションがあるものだよなと認識したのです。
音のイメージは発音から意識する
だから発音は今でも気にします。すごく当たり前の事実ですが、発音から音が始まるわけですからそれが大事でないはずがありません。
こういう音を出したいと自分で思った時に「ではどういう発音がその音のイメージに合うのか」を考えてみるのもとても大事なことです。ここのバリエーションが少ないといくら絵画の色彩感を持っていても、激しい感情表現を持っていたとしても表現力が格段に下がってしまいます。それだけ発音が表現にもたらす影響はとても大きいと思います。
ということで今回は発音の話でした。
連休だし、休もうかなと思いましたが、ルーティーンをこなすことの大事さを感じていて始まったこのnote更新を一ヶ月で止めるのはだめだなとギリギリの更新をしました。
やはり休みでもなるべく月〜金は更新していこうと思います。
それではまた。楽しく過ごしていきましょう。
蛯澤亮でした。
あ、最後にクライバーの動画を貼りますね。日本語字幕がなかったので完全ドイツ語です。
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