「立派過ぎない」ことは人から愛される大切な要素
学生の頃お世話になった先輩の結婚式に参加してきた。
所属していたサークルのメンバーとも再開できたんだけど、みんな変わってない…。最後に会ってから5年以上は経っているはずなのに。若々しいよみんな。
28歳という年齢的に、結婚式に参加する機会が増えてきたのだけど、今日は結婚式ではじめてのことが起きた。
それは、「祝辞の内容が被っていたこと。」
新郎側の方は、吉野弘さんの詩「祝婚歌」を引用したメッセージお話したのに対して、新婦側の方も全く同じ内容を用意していたのだ。
初めて聞いた詩だったけど、結婚はもちろん、人との関係において”作り過ぎないこと”を謡っていて素晴らしい内容だった。祝辞の引用として有名なのかな。
一番印象に残った言葉は詩の冒頭のこちら。
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
どうしても「よく見られたい」「嫌われたくない」。
こんな気持ちが人と競っている時にでてしまう。むつまじくいるためには、そんな虚勢も必要ないんだよ…優しい言葉に感じた。
なによりも素敵だったのは、結婚式の主役がこの言葉を体現しているのだ。
新郎の先輩は、昔から抜けが多い方だった。人前で話すときは必ずといっていいほど噛む。しっかりしているようで抜けている。キャプテンとは思えないほどの愛らしさがあった。(褒めてる)
今日のスピーチでは噛み噛み。
結婚式では段取りを間違えて神父さんに突っ込まれる。
こんなことに”らしさ”を感じて笑ってしまった。
周りからも愛のある笑い声が聞こえた。
そして、会を締めくくる終盤。新郎のお父様のスピーチも言い間違えたときに、会場には笑いが起きた。
………
こんな愛のある空間はあるだろうか。
参加者の優しく見守っている気持ち、新郎とそのお父様の作らない誠実な姿勢があって初めてできたものだと思う。
最後のムービーを見ているときは、やさしさ溢れる空間と、お二人の仲睦まじさに泣きそうになってしまった…。
人からよく見られたい願望が強い。できれば嫌われたくない。偽った自分を作ってしまうこともあるけど、たいていは苦しい。
でも、上の結婚式で”愛されていた”新郎やお父様のように”作らずに”生きることが人の温かい笑いを誘い愛される要素になるんだと思う。
「立派過ぎないほうがいい」
この一言にしばらく励まされそうだ。
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