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5話:冠雪の谷川岳をのぞむ諏訪峡散歩【付録】昭和グルメ情報

「日本の旅と風景印の物語」をテーマに、日本各地の旅紀行を綴っていきたいと思っています。

‥‥ということで書かせていただいた本編の方に、掲載し切れなかった
昭和グルメともいうべきいいお店がありましたので、付録でお話しさせていただきます。
ご紹介しますのは、群馬県水上町の「大衆食堂フライパン」になります。


水上の温泉街は、昭和レトロの世界に踏み込んだような感じだとよく書かれているが、実際に歩いて見ると本当にその通りだ。
まだ、真ッ昼間なので、宿泊客がそぞろ歩きする姿は無かったが、夕闇がしのびよる頃合いになれば、きっと違った世界が見れるに違いない。

そんな水上温泉街の一角に、大衆食堂フライパンは建っている。

ちなみにお向かいは水上郵便局!

まだ、お昼の時間には早かったが、すでに1組のお客が入っていた。
観光客という感じではない。
お店の間口は広くはなかったが、中に入ると狭いながらも、いくつかのテーブルと椅子が整然と並べられていて、どこに座っても落ち着けそうだ。

まさしく昭和の大衆食堂‥‥
座席への案内などは、もちろん無いので勝手に好きなところに座る。

裏側には単品料理やラーメン、チャーハンも‥‥

卓上のメニューは活字が並ぶだけ。
コロッケ定食と、ハンバーグ定食のお値段が60円しか違わないって、どんなコロッケなのか逆に食べてみたくなるではないか。
いちばんお高いポークソティー定食は、どんなお肉だろう。

迷った結果、ハンバーグ定食とヒレかつ定食に決める。
おかみさんがお冷を持ってきてくれて、ひと息。
テーブルの上には、ウスターソースと、とんかつソースが置かれていた。

待ってるあいだに、また1組のお客が入って来た。
お仕事中とおぼしき男性が3名。

カウンターの上の方には大型のテレビが置かれて、何かの番組が流れている。
このお店だと、なんだか薄型の液晶テレビが変な違和感をかもしていて、むしろブラウン管テレビのほうが、しっくり馴染むんじゃないかと勝手な感想を抱いた。


さて、あつあつで運ばれたヒレかつ定食。
ひと口かじって、お肉のふっくら感にお口がほころび、あやうくヒレかつがこぼれそうになった。

なんで、このお肉はこんなにやわらかいの?
ヒレだから?
いや、この倍以上のお値段で食べた某かつ処のヒレかつは、、ちゃんと歯ごたえがあった。
それなのに、ここのヒレかつは、ふっくらしてて、やわらかくて、お肉のうまみが優しくお口にひろがってくれる。

(ヘンな赤い色は、お店入り口のテントのオレンジ色が写り込んでしまったもの)

ハンバーグは、完全手作りの昭和のお味。
ナツメグが効いたシンプルでスタンダード、過不足の無い原点の味を令和に再現させている。
あら目に挽いたお肉を手ごねして焼き上げ。
ボリュームある食感なのに、スイスイ入ってしまい、それなのに食後のお腹が重くない。まったく不思議。
(自分はハンバーグ好きなクセに、外食でそれを食べたあとに、だいたいお腹が重くて苦しくなるタチ。そういうコトって、無いですか?)

おかみさんに聞いたら、群馬県産のお肉を使っていると教えてくれた。

付け合わせも、オツユも、レトロな感じで飾らず、ほのぼのとした。
そして、お会計も昭和レトロのままのお値段(税込表示)。
こんなお店が、うちの近所にもあったらいいな‥‥

お会計をしていたら、また新たに2名お客が入ってきた。
地元の人たちに愛されているようだ。

お店の壁には、立派な谷川岳の切り絵が額縁におさまっている。
なんと!
こんなところで、また(しかも切り絵の)谷川岳に出会えるとは。
思いもよらず、何かの縁が引き寄せたかのようで、ひそかに旅の神様に感謝した。

切り絵になるくらいだから、こちらも地元の人たちに強く愛されているのだ。



昭和グルメ情報は以上になります。
訪問したのは4月の平日。
JR水上駅からは歩いてすぐで、駐車場もあり。

参考にしていただければ幸いです。

🌺本編はこちら🌺


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