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レストランのウェイターはアタッカー。そして二つの特性に分類される
僕の主なキャリアは飲食店のマネージメント。
ある時から「ウェイター」という言葉は適していないと感じる様になった。
Waiter=待ってる人
基本待機していて、
呼ばれたら伺い、言われた事をする。
という仕事だったので、ついた呼称だ。
これだけ発達した現代のサービス業においては、
待っていては仕事にならない。
受動的ではなく、能動的に顧客満足を取りに行くのが普通であり、必要不可欠なのは当たり前。
なので、ウェイターではなく、
顧客満足を能動的に取りに行く
「アタッカー」だと感じていた。
先日ある動画で、海外では一品ごとにシェフが
「この料理はどうだったか?」
と感想を聞きにくる。という話があった。
コミュニケーションこそが、シェフの仕事だと言っていた。
その動画内でも、アタッカーという言い方をしていた。
それを聞いて、当時の記憶がまざまざと蘇ったので、この記事を書いている。
アタッカーには、二種類ある
自分の能力を活かしてアプローチするか、
相手の背景を汲み取ってアプローチするか。
自分の能力とは、分かり易い例でいえば、
前述のシェフやソムリエなど。
キャラが立っている人なら、
その特異性で稼ぐこともできる。
昔、同じ会社で働いていた方で、そんな才能を持つ人がいた。
男性だけど男性じゃないサービスマンの方だ。
とにかくお客様を持っている人で、その特異性が認められて、
時給を人の2.5倍ほど貰っていると噂で聞いた。
「あら~、いらっしゃい(ハート)」
なんて感じで、お客様の懐にサッと入るその術は、
見習いたくても見習えないスキルだった。
お客様に可愛がられて、なぜか家族旅行で海外に行くのに、
「一緒に行こうよ」と誘われて、
ついて行ったという伝説がある。
その代わり、諸刃の剣でもあって、
キャラが濃すぎる分、そういったキャラが苦手な人に当たると、
「わたし、あの人無理!」と言って、
隣のセクションの人にお客様を委ねていた。
その経験のある人が、
「あの人と隣同士のセクションになると、テーブルの交換が増えて、どこが境界線か分からなくなる」
と、笑い話で言っていた。
ハマると強いが、ハマらないときもあり、両極端になる。
好きか嫌いかをはっきり判断されることが多かったように思う。
だけど、能力を活かしたスタイルの方が、
スターになることが多い。
前述の方も、元々は俳優上がりの方だった。
自分をプレゼンすることが上手だからこそ、
レストランでも花形となれた。
背景を汲み取るアプローチ
僕はそういった個性を持ち得なかったので、
「相手の背景を汲み取る」やり方を突き詰めた。
全てのサービスを行う人が目指すべきは、
お客様がして欲しいことを、言われる前にして差し上げる
事に尽きる。
要は予知するスキルだ。
優れたサービスマンの諸先輩方から学んだことは多数あるが、
その中で最も印象に残っているのが、
「無料のサービス」で心をつかむ方法だ。
これに優れた先輩の方から聞いた話が、
最も端的で分かり易い。
曰く、
「無料のお水を、お客様が感動するタイミングで出すこと」
だった。
その先輩は、全ての新人スタッフに、必ずそう教えていたそうだ。
来て下さる全てのお客様に、
(このタイミングで水が欲しいだろうな)
を、予測して水を出す。
幾度もチャレンジしなさいと教える。
それがいつかきっと、お客様が今欲しい。
と感じた瞬間に出せるようになる。
それが、お客様のことを汲み取る第一歩だと。
その方は、経験からここで欲しいはず!
と分かっていても、
今持っていきなさい。とは教えない。
トライ&エラーを繰り返させる。
そうして、顧客背景を汲み取ることに長けていくようになる。
アタッカーには権限が必要
という話を最後にしたいと思う。
例えば営業職なら「接待」という予算が組まれていることがあると思う。
レストランにおいての「アタッカー」は、要は営業マンであり、
顧客にリピートしてもらう責任者でもある。
なので、僕が以前働いていたお店では、
「オン・ザ・ハウス(店のおごり)」
という仕組みがあった。
お客様にリピートしてもらうために、
無料で何かを提供できる決裁権を皆が持っていた。
これはリッツ・カールトンの有名な決裁権が基になっている。
ウェイター判断でお客様への何かしらのサービスを行う。
それは、裏を返せば「顧客満足を第一に考えてね」
という、会社から働く人たちへのメッセージだ。
僕は幾度もその仕組みを利用したが、
方法は多岐に渡る。
例えば、話し込み過ぎて終電を逃してしまったお客様を、
宿泊先までお送りする車のサービスをしたり、
地方からわざわざお越し頂いたけど、
帰りのバスの時間が迫っていて滞在時間僅か1時間のお客様のために、
キッチンにおにぎりを握ってもらって、お土産を用意したり。
顧客の会社のロゴを使用してサプライズを仕掛けるのは毎日のことだった。
カップルのために演出を行うことも、日常茶飯事だった。
権限を積極的に利用することによって、
スタッフたちへの教育にもなったし、
顧客満足を得るための方法を日々考え、泥臭く行う。
楽しみながら、顧客満足に責任を持つことが出来た。
結論、ウェイター(待っている人)では、
顧客満足を得ることは到底無理なのである。
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