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飲食店人材不足解消の妙案?【リアル投げ銭】を仕組化する方法

「投げ銭」の仕組み

これからのPOSはモバイルオーダーが主流?

自分のスマホを使ってオーダーする。

こんな画期的なシーンに出くわしてから数年が経ったが、
モバイルオペーションシステム会社の記事に、
面白い内容を見つけた。

僕はこの仕組みを知らなかったが、
この投げ銭システム「推しエール」はチップだ。

スタッフに贈られた「推しエール」全店舗総額は50~100万円(中略)
2023年10月は、約800名の飲食店スタッフの方が推しエールを受け取りました
2023年10月の「推しエール」を受け取った金額ランキング1位は、 (中略)
なんと、1ヶ月で92回、64,900円の推しエールを受け取られています。

上記記事より抜粋

文中には「推しエール」を受け取った男女比や、月ごとの総額が掲載されているので、ご興味のある方は是非ご覧になってみて下さい。


飲食店人材不足解消の妙案?

飲食店の人材確保問題は周知の事実。
「推しエール」という分かり易い仕組みで、問題に一石を投じている。

飲食店で働きながら物心両面の喜びを得ることができる環境を「推しエール」という新しい形で広げて、 採用増や離職率軽減、飲食店の人手不足の改善に少しでも貢献できるよう、引き続き継続、啓蒙をしてまいります。

上記リンクより

具体的な数字は見付けられなかったが、
実際の肌感として飲食店の運営は、
主婦(夫)と学生のアルバイトで成り立っているといっても過言ではない。

そのパイの奪い合いの中で、こういった仕組みは有効だ。
他社に抜きんでることができる一因となると思う。
実際、前の記事内にもリファーラル採用があったことが記されている。

ただ、全体で見れば絶対的解決方法ではない。
ので、どんどん参入し始めれば優位性は失われる。


いかにマネージメントするか

結論から言えば、このシステムはマネージメント力に左右される
人材不足を解消する大きな武器となるかは、結局はお店次第だ。

僕は飲食業界で20年以上マネージメントをしてきた。
もし自分が管理者だったらどうするだろう?
と考えてみた。

ざっと思いつくメリット、デメリットは以下だ。

⭕メリット

  • 推しエールを受け取る人のモチベーションUP

  • 推しエールのために顧客への接点を増やす

  • 顧客へ関心を持ち、喜んで貰えるように努める

  • 顧客が推しエールを行うことにより、欲求が満たされる

❌デメリット

  • スキルが不足している人のモチベーションダウン

  • 推しエールをしない顧客への関心が低くなる可能性

  • 勤務ポジションによる不公平感が生まれる

  • 推しエールをした顧客からの過剰な要求

僕ならデメリットを踏まえても、導入する。
どれも管理者が指示・対応・仕組化すれば、
メリットの方が明らかに大きいからだ。

逆を言えば管理者が「スタッフを握れて」いないと、
問題の原因になる可能性が大いにある。


配分の%設定はどうするか?

推しエールで得た金額を、
どうスタッフに還元していくのか?は、会社の判断によるようだ。

スタッフみんなでご飯をする費用にも一部充てさせて頂いているので、そうやってみんなの笑顔になることは本人にとっても喜びになっていると思います。

上記リンクより抜粋

全額本人の元へ行くわけではないということだ。
僕は当然だと思っている

チップの本場アメリカでは不公平感を無くすために、
もらったチップをプールして配分する。というシステムもある。

またアメリカのチップ文化は背景に安月給で、
チップで不足分をまかなうという、政府お墨付きの仕組みになっているのが根本的に違う。

ただ、どこで折り合いをつけるかが重要だ。
推しエールを貰った本人のモチベーションが保たれて、
かつ、不公平感が出ないようにする%は?

様々な意見があるだろうけど、僕が管理者なら、
上限は50%だと思っている。

理由は三つ。

  1. まず屋号でお客様は来店されている

  2. チームで役割分担しておもてなししている

  3. 偏ったサービスに陥らないため

そこからは、現場で話し合って決めるべきだ。
皆が納得は無理だろうけど、賛成多数で決するのが一番不平不満が出ないと思う。

僕が管理者であれば、前述の50%上限を提示した上で、
無記名投票で何%にするか全員の本音の意見を集めて、
多かった%の上位何位かまでを基に、
最終的に個々の意見を交わし、多数決を取る

ちなみに僕なら、35%と書いて出す。
前述の1.屋号でお客様が来て、2.チームでもてなし、
3.最後の満足のひと押しをした人の功績だと思い、
3分の一の33%を切りよくしたのが理由。

でもプレイヤーだったら50%欲しいと思うよなぁ。


大事なのはその先にある

このシステムの最大の恩恵は、顧客のスマホを使用してもらうことによって、顧客情報をお店が持てるところにある。
従来はとても苦労していた情報を、いとも容易くお店側は得れる。

ここで最も重要なのが、その情報を次回来店時に反映できるか?だ。

ラインアプリを使用してオーダーするシステム上、
恐らくだがお客様が最初にオーダーをして初めて、
過去の来店履歴やオーダー内容が紐づくはずだ。(予約以外)

なので、オーダー後に前回の推しエールを頂いた際のスタッフがいなくても、
お店として「前回は推しエールありがとうございました!」と言えるか。

「推しエール」をしてくれた方はお店のファンだ。
中には個人のファンもいると思うが、(多分いる)
屋号で来てもらっている以上、屋号で対応するべきだ。

また、その過去履歴の情報から、
何かしらのアクションを取れるか。

人の記憶力に頼っていた部分を、システムでまかなえる。
すごくいい時代になったと思う。
と同時に、扱う店の力量も問われる

結論、推しエールはスタッフの恩恵だけではなく、
マネージメント(運営)する側の、
更なるレベルアップが求められる仕組みという事だ。

未来へ向かって伸びる会社しか上手く使いこなせない。
そういう意味で「良い問いかけ」ではないだろうか。

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old rookie (50歳無職|職業訓練でWEBマーケティングを学ぶ)
あざっす!コーヒー飲ませて頂きやっす! (揉み手)