経営者として言葉が曖昧なのは、損失の発生源である。という話
10年以上前の話だが、ある経営者の方が、
株主総会のお話をされていた内容で、
なるほどと思わされたことがある。
曰く、
「ソフトバンクの株主総会は勉強になる」
と言っていたことだ。
理由は、
だからだそうだ。(当時)
当たり前と思われた方もいるかも知れないが、
あれだけの規模の全ての数字、原因、対策まで含めて、
資料に目を通すことなく、澱みなく答えられるか?
想像しただけでムリゲーだ。
事実、その方は株主総会での、
経営陣の受け答えを見に行くためだけに、
株主になっている節もあるそうで、
だいたい、
「関連部署の責任者から説明させます」
と、説明を代わる。
それが普通の景色だということらしい。
かつ孫社長は、内容に関しての一切の説明責任から逃げず、必ず全てお答えされるそうだ。
今やYouTubeでも、それを見ることができる。
これは2022年、3兆円の赤字を出した時の映像だ。
冒頭、徳川家康が三方ヶ原の大敗北を喫した時の絵を持ってくる時点で、
【ツカミはOK】だったと思うが、
その後の流れも、(任せておけば大丈夫)と、
誰しもが信頼出来る内容だったと思える。
話は大きく変わるが、
僕が学んでいる職業訓練校の学校長は、
講師でもあるが、経営者でもある。
時折送られてくる学校からのメールマガジンに、
経営者の片鱗を見せてくれることがある。
学校長は、生徒から
「個人事業主になりたい」
と、相談を受けることがあり、
その際には、
「一度雇われてから、ソフトランディングを目指しなさい」
という返事を、必ずするという。
そうした後に送ってこられた、
合計29からなる事業主向けの【心構え】の中に、以下の内容があった。
この一文を目にしたときに、真っ先に思い出したのが、
上記の孫社長の株主総会だった。
孫社長が、全ての数字を澱みなく語れることも、
だからこそ、ソフトバンクが成長するのも、
至極当然だったと思わされた。