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【サイコパス】がリーダーにとって必要不可欠な素養だという話

日本を代表するマーケター、
森岡毅さん。

著書の全てを読むべく、とりあえず手に入れておいたけれど、
パラっとめくって数式が羅列されていたのを言い訳に、
なかなか手が伸びず、最後に読むことになった、

【確率思考の戦略論】を、今読み進めている。



森岡さんと言えば・・・

自らを数学脳のマーケターだと仰っていて、
著書の中でも、番組でもそう表現されている。

数学と言う学問からなるべく遠くに居ようとする僕にとって、

マーケティングは数学脳だ!

と断じられるのは苦しくもあって、
買っておきながら、なかなか手が伸びなかったのは、
そういった背景もあった。


―――が。

全くもって、そうではなかった。
目から鱗のお話が網羅されていて、

数式は証明するために載せているのであって、飛ばしていいよ

と書かれた言葉に則り、華麗にスルーしつつ、
あっという間に森岡さんのパートは読み終えてしまった。
(共著である)



サイコパスとは?

その中で、しばし手を止めて考え込んでしまった内容が、
表題の「サイコパス」についてだった。

著書の伏線として書かれていた内容だったので、
ネタバレしても大丈夫だろう。
もし読書予定の方で、真っさらな心で読みたい人は、以下ご注意下さい。


氏は、NHK Eテレで視聴されたと書かれていたが、
オックスフォード大の授業内容の紹介として、
「サイコパス」研究者の授業が取り上げられていたらしい。

サイコパスという言葉を聞けば、
ある有名な映画が連想されるように、
ネガティブなイメージを持つ人がほとんどだろう。

しかし、サイコパスにも種類があって、
前述のネガティブなイメージは「暴力的なサイコパス」であり、
そうではないサイコパス性を持つ人もたくさんいると書かれていた。

要は「程度の問題」だと。

要約した解釈として、

サイコパス性とは、感情的葛藤や人間関係のしがらみなどに迷うことなく、目的に対して純粋に正しい行動を取れる性質のこと。
感情が意思決定の邪魔にならない性質

と書かれていた。

そしてさらに驚くべき部分が、
刑務所にいるイメージ通りのサイコパスと、
(暴力性を除いた)非常に似たサイコパス性を持つ人々が、
CEOや大企業の重役、外科医や弁護士、ジャーナリストに多いらしい。

感情が意思決定の邪魔にならない

なるほど。
サイコパスの本質を、ありありとイメージできた。



日本のリーダー像においては

氏は著書の中で、多様な事例を基に

アングロサクソン系の組織がこれだけ優勢に人類の中で突出してきたのは、
彼らが感情を排した合理的意思決定をできる確率と無関係ではないように思うのです。

と結論付けられている。

細かい所は是非読んでみて欲しいが、
僕が一番引っかかったのは、

(アングロサクソン系は)
都合が悪くなれば、すぐにルールを変えてでも勝とうとする

という事例を踏まえての一文があった。

確かに思い返せば今年(2024年)のWBCアメリカでの日程において、
直前にアメリカ有利になるように日程変更されたとかいう話もあった事を思い出した。

勝つために手段を選ばないのが常識。な、
西洋のスポーツマンシップに比べて、

日本人の文化は、
和を以て貴しとなす。
の考え方が根底にあると感じているからである。

まさにアングロサクソン系の思考とは正反対だと思う。

が、資本主義社会で求められているのは
【サイコパスで勝たせる】リーダーだ。

日本人としての美的感覚が、
グローバルな視点では太刀打ちが出来ない。

ふんわりと感じていたことを、
突き付けられたような気がした。



森岡氏はこうも書かれていた。

大久保利通は近代日本の礎を作る最大級の貢献をしたが、不人気だ。

それを見て思い出したエピソードに、
故稲盛和夫氏が鹿児島の盛和塾塾生に、
『そろそろ西郷西郷とばかり言わずに、大久保を見習ってはどうか?』

と言われたのを聞いて、猛反発した。
と、当の鹿児島盛和塾塾生本人が述懐されていた

西郷さんは、負ける戦と分かっていても、
担ぎ上げられて致し方なくリーダーになった。

がしかし、リーダーとは勝たせる為にいる。
そう考えると、西郷さんの顛末は日本人的美談ではあるけれど、
西洋的なリーダーの視点でいうところの、
サイコパス性は無かったかもしれない。



戦国時代の武将では、、、

織田信長が圧倒的なサイコパス性のあるリーダー。

これは森岡さんが書かれていたが、
全くもって同感だ。
感情に全く邪魔されずに意思決定できるエピソードだらけだ。

が、時代背景もあって、負け=死を意味する当時、
リーダーはサイコパス性に寄らずにいられない状況だったと思う。

秀吉も家康も天下を目前にすると、
サイコパス性をいかんなく発揮している。

そんな中で、日本人的リーダー像を発揮したのは、
上杉謙信ではないだろうか。

部下の裏切りにも寛大であり、幾度となく許した。
義を貫いた姿勢。

そんな【義】によるストレス発散が酒だったのか、
それが原因で寿命を縮めたとも言われている。

その後を継いだ上杉景勝も、
関ヶ原前夜の戦で上杉軍を前に踵を返す徳川軍を、
追い討ちすべきと直江兼続に提案されるも、

「上杉は敵の背を討つような軍では無い」
と、謙信公に倣ったお陰で、
後の世の中を決定付けた一因となった。

サイコパス性は乱世にこそ必要不可欠な素養だと思える。

そして、今のグローバルな世の中は、
まさに乱世で民主主義社会におけるリーダーは、
ますますサイコパスに寄らなければならないのかもしれない。

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old rookie (50歳無職|職業訓練でWEBマーケティングを学ぶ)
あざっす!コーヒー飲ませて頂きやっす! (揉み手)