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結論:飲食店はリファーラル採用が一番良い

【飲食店】はリファーラル採用が一番良い

いわゆる「紹介」での採用のお話。
(3426文字、読了まで4分ほど)

(下リンク先はサムネイル画像の出典元)


僕が毎日訪れる方のno+eで、採用に苦慮されているのを拝見し、
僭越ながら過去の事例を基に、私見を書いてみたいと思う。

「リファーラル採用」という言葉は、
いつしか聞くようになったが、
僕が一番最初に勤めた飲食店の企業では、
この「紹介制度」がしっかりと機能していた。

その会社の紹介制度の最も良かったことは、
紹介した人に、紹介された方の勤務条件が満たされれば
10万円の報奨金があったことだ。
20年以上前の話で、2001~2年のことだった。

僕が店長時代にこの制度で、
全てアルバイトの紹介で、3人報奨金を貰っている。

アルバイトのスタート時給が850円だった当時において、
魅力的だったことは言うまでもない。

報奨金は、紹介者のみに渡される。
が、どのスタッフも、必ず紹介した側とされた側で折半していた。
5万5万の山分け方式だ。

スタッフが事前にこの報奨金のことを説明して、
友人を入社させていたからである。



コストとして10万円は高いか安いか

2024年において、飲食業のアルバイト一人当たりの採用費はいくらだろうか。調べたところ、キッチン限定だが5万円と出た。

平均採用費

僕の経験だと、ホールはこれよりも少し低いくらい。
アパレルの販売と同じくらいだ。
これを僕は高いと感じている。理由は後述する。



リファーラル採用の良いところ

そして、リファーラルだと、前述の会社の場合、
一人当たり10万円で倍増する。
が、僕は安いと感じている
理由は以下だ。

  • 既に働いている人が、合う人を選別して紹介する
    (続きそうにもない人は紹介しない)

  • 紹介された側が、紹介者の顔に泥は塗れないという気持ちが働くので、辞めない

  • 紹介された側は、入ってくるときの安心感がある

  • 紹介した側が、しっかり面倒を見る

  • そもそもやる気がある人しか紹介して来ない

なので、僕の経験上良いことしかない。
その時点での採用コストは倍になるが、
(当時で考えれば3倍以上かもしれない)
一般募集で入って来た人よりも確実性がある。

何より、10万円が無駄金ではない。
働いているスタッフへ渡されるもの
だからだ。



一般募集では採用コストが下がるのになぜ高いのか?

一言で終わる。
ミス・マッチングが多いからだ。

例えば求人の媒体を使用すれば、
一度に20万円以上は最低でもかかる。
業者にかかるお金だ

やっとの思いで採用しても、続かない事が多い。

なぜ続かないのか?
そこにはお店によって色々な理由があるだろう。
昨今の飲食店において、離職率は大きな問題だ。

けど、採用する側は、それを見越して多めに取らなければいけない。
まず、余分な人件費がかかる

そして働いてみてから辞める人も多い。
ので、面接やオリエンテーションなどの、
採用に費やした時間がもったいない
そのコストを考えても、無駄な人件費だらけだ。


なので、僕はこの求人媒体というものを、
極力使いたくなかった。
がしかし、使わざるを得なかった。

今年の5月まで在籍していた企業では、
1店舗年間60~80万円ほどの採用予算があったが、
学生で卒業まで続いたスタッフを考えると、
一人当たりの採用コストが10万円近くになっている

採用コストは3~5万円内でもだ。

そう考えると、ムダ金ではなく、
もしかしたらまた紹介してくれる可能性のある、
リファーラル採用の方が良いことが分かる。



目指していたやり方

自営業でお店をやっていた時、
スタッフが続いたのは
紹介からの入社が主だった。

そして、全て上手くいった訳では無いが、
その紹介してもらう事に、
コストをかけることを重きに置いた。

これは、お店が30席ほどの小規模店だったからできたと思っている。

実際のところ、僕が自営業の時にかけた採用費は、
7年間で概算7~80万円ほどだったと思う。


このお店のサービスは良いからと言われて、
顧客からスタッフを紹介してもらう事もあった。

そうした時は、お礼に食事にご招待して、
ある程度高額なワインを用意しても、
原価トータルで2万円を超えるくらいで済む

実体験で、顧客やスタッフからの紹介こそが、
最も効率的で効果的だった。

ネガティブなことは、
ほぼなかったと言っても過言ではない。

一つだけあったのが、キッチンが退社時に総上がりしたことだった。
シェフがチームを構築するのに、知人を紹介して入社させたからだ。

そのリスクだけはある。



リファーラル採用の仕組みの前に

まず、店舗内での労働環境構築に力を入れる。
簡単な話だが、飲食店の場合、

まかないに最も気を配ろう。

この質と量のクオリティが低いと、働くスタッフに影響を与える。

そんなことで?
と思われるかもしれないが、
実は飲食店での勤務において、
まかない(食事)に対する価値感覚は非常に大きい。

それが働く理由だと言い切る人もいる。
まかないに命かけてます(笑)
と言った人もいた。

決して疎かにはできない。
「食べ物の恨みは怖い」は、
逆説だが根源的なことを教えてくれる。



給与は他よりも少し多めにしよう。

最後の職場では、なかなか時給を上げなかった。
1年やって最大昇給額の幅が50円まで。
と決まっていた。

これには
「時給を一気に上げてもその時に感じる喜びはすぐになくなり、
徐々に上げる方がモチベーションは保たれる。違う所にメリットを」

と人事から言われたが、
机上の理論だと思い知らされている。

結局1年やってもそんなくらいしか上がらないのか
と気落ちしたスタッフは、
違う時給の良いところへ移ってしまう。

なんとか人間関係構築で繋ぎ留めていても、
結局掛け持ちはするから、入る回数は少なくなる。

学生は働く時間が限られるから、
少しでも良い時給の所へ移るのは自明の理だ。

そして何より、後から入って来たスタッフへ教えたり、
仕事も少し責任が多いことをやっていても、
たった50円しか違わない。
と考えると、モチベーションも落ちる。

前の職場で何度も聞いた、アルバイトの意見だ。

しかもそれが、都の最低時給更新で、
簡単に全員が増えるのを見ると、
(増やさなければいけないのだが)
モチベーションはダダ下がりになる

増えているのに、素直に喜べないという。
それは自分の仕事の成果による達成感ではなく
仕事が出来ようが出来まいが、みんな上がるからである。

最後の職場での時給に関しての諸々は、
良い思い出が一切ない。



知識・技術を与えよう。

僕は、自分でお店をやっていた時には、
キッチンスタッフ含め、ワインの講習会を開いていた。
その都度、新しいワインを体験させて、
時には料理とのペアリングも試させた。

店を閉店後、雇われた時には、
残念ながら料理は自由にはならなかったので、
Barの中にあるお酒の知識、
料理との相性、セールストークの活用法など、
多岐に渡って教えていた。

そうして働くメリットを感じて貰えれば、
何かの時に紹介してくれることがある。

ただ、残念ながらこの会社では、
リファーラル採用の報奨金が、
アルバイトの場合、わずか2万円しかなかった。
これではなかなかその気にならない。

そして、僕はスタッフの中でも、
紹介して欲しい人だけにお願いしていた。
なぜなら、

類は友を呼ぶ。

と思っていたので、
あまり向いていないな。
と思う人には、紹介して欲しいと伝えなかった。

これは、合っているかどうかは分からない。
実際のところ全員に声をかけたらどうなっただろう。

なので、最後の職場では、
ほとんどリファーラル採用が無かった。



まとめ

これからの飲食店の人員不足は更に加速し、
外国人労働力に頼らざるを得なくなっていく。

実際、僕が勤めていた会社も、ホールでも外国人が増えていた。
(その紹介所にかかるコストも半端ない)

なので、リファーラル採用は、
最も大事な軸にしていく必要があると思う。

至極当然だが、今いるスタッフの仕事を認め、
磨いて、紹介しても良いと思える環境づくりが必須で、
そこから先に、紹介してもらっても大丈夫な土台作り、
そして紹介の仕組みの構築。

同時進行でも構わないが、
それぞれのキモは押さえて進めよう。


そして、本来あるべき姿である、

スタッフを選べないより、スタッフを選べるお店になることを目指そう。

みんなが、このお店良いよな。
という所には、人が集まるようにできている。
皆さんが働く側でお店を選んでいた時の気持ちを思い出してみよう。

そこに、あなたなりのスタッフ目線での、
お店の作り方があると思う。

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