スペイン料理には壮大な歴史がぎゅぎゅっと詰まっていた
めちゃくちゃお久しぶりです。
お元気ですか?
春にお会いして以来ですね!
ナカタさんのスペインレストランでおいしい料理をいただいた夜、
とっても楽しかったです。
京都でスペイン料理。
オツな感じでしたがなんか雰囲気が合う、と思いました。
伝統料理だし野菜や肉、魚といろんな食材が使われているから
日本人になじみやすいのかな。
体によさそうで、それでいてガッツリと満足感があるのもいい。
フランス料理よりカジュアルで仲間と楽しみやすいし、
グルテン(ピザやパスタ)にちょっと弱い私には
イタリアンより合っているみたい。
何より地元の人に愛されている活気あるお店になっていて
安心しました~。
ところでスペイン料理って日本人にまあまあなじみがあるわりには
実はあまり詳しく知られてない気がします。
私もパエリア、タパス、地中海料理くらいのキーワードしか知らなくて。
そもそもスペインの地理とか歴史にまったく明るくなかったです。
そんな私に俄然スペインの歴史や風土への興味を掻き立ててくれたのが、
『馬の惑星』(星野博美)という本でした。
馬に魅せられた作者が、馬にまつわる旅をする世界紀行で
モンゴルやアンダルシア、トルコなどかなり幅広く足をのばしています。
ちなみに地中海や黒海、カスピ海周辺に馬の文化が濃いのは、
馬が戦闘に活躍したからと。
つまり昔から戦争の多かった地域ならでは、
ということでちょっと複雑ですよね。
私はこの本で学生の時以来、久しぶりに「レコンキスタ」という言葉に出会いました。
ざっくり言うと、キリスト教徒(カトリック)が、イスラム教徒に支配されていたイベリア半島を奪い返そうと行った国土回復運動(8世紀初頭~1492年)ですね。(復習しました)
レコンキスタの後、キリスト教に改宗した(改宗しないと追放)イスラム教徒のことを「モリスコ」というそうなのですが、このモリスコたちが本当に改宗しているかどうか、踏み絵のようになっていたのが「豚肉」だったようです。
豚肉を食べないイスラム教徒をあぶり出すのに使われたと。または潔白を示すために自ら積極的に食べたりもしたと。
日本の隠れキリシタンのような話。
スペイン料理に豚肉がよく使われているのはそういう歴史があったんだ!
という驚き。
いや、すみません無知で。
何も知らず、イベリコ豚うまい!とか言ってるだけだった。
バレンシア地方の郷土料理であるパエリアも、7世紀ごろにイスラム教徒がこの地域に稲作を伝えたり、ハーブのサフランをもたらしたりしたことが起源のようです。
とにかくスペインは、一つの国になっていることが不思議なくらい地域によって歴史が違って複雑で。
そりゃ地域で料理が違っているのも当然でしょう。
いま日本でちょっとした人気になっているバスク料理も、バスク地方というかなり独立性の強い特殊な地域だったからこそ生まれたもののように思います。でもここは掘ると深そうなので、またにするとして…。
もろもろナカタさんはご存じだったでしょうが、私には新鮮だったのでつらつらと語ってしまいました。
『馬の惑星』、馬にさほど興味のない私でもすごく楽しく読めたのでおすすめです。(食の話はそんなに多くないです)
なんだか9月なのに昼間は暑い日が多くて。
たまった夏の疲れがどっと出る時期ですよね。
こんなときは冷たいスペインのスープ、ガスパチョが食べたくなります。
ガスパチョはスペイン南部アンダルシアの夏の暑さが厳しい地域で生まれた料理だそうですね。ローマ軍が水筒に入れて持ち歩いたのが起源だとか、語源はアラビア語だとか成り立ちには諸説あるようですが、田舎の労働者や農民が食べていた料理だそう。
暑い季節の体力補給にぴったりですよね。
ということで、よければ家でカンタンにできるガスパチョの作り方を教えてもらえないでしょうか?
朝晩は涼しくなったようですが、まだまだ日中の暑さが続くと思いますので
お体に気をつけてがんばってくださいね~。
アンドウ