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クローズドメディアとしてのコワーキングスペースの可能性

年末にかこつけてここまで1年半の運営を振り返る記事を書く中で、生まれた問い、「コワーキングスペース文化砂漠の地方都市でわたしたちは何が可能か?」。

そもそもコワーキングスペースを利用するということに、ただの場所としての貸しオフィス以上の意味がまだまだ知られていない地域(つまり市場がまだない)でこうした事業をすることはものすごく大変です。でも、大変なことは多々あれど、ジメジメした気持ちで年の瀬を終えたくない。そこで、今回は、わたしたちなりにその問いに応える今後期待できる成長を描いてみることにしました。

まだ見ぬ新年に向けてわたしたちの妄想も大いに含まれますが、ネガティブなことを考えがちなこの年の瀬に、いつになくポジティブなわたしたちの計画をどうぞ(笑)。

ここから先はかなり現実的な数字も含めて書いていますので有料noteにさせていただきますが、単独でもご覧いただけるので興味ある方はお読みいただければ幸いです。


「コワーキングスペース文化砂漠の地方都市でわたしたちは何が可能か?」という問いに応えるわたしたちの妄想…ではなく”構想”は、「認知拡大」「サロン化」「概念化」の3つのステップに分けて考えています。

コワーキングスペースEATLABの展開

日々模索しながらも利用者とコミュニケーションを重ねながら整理してきたその3つのステップすべてに共通しているだんだんと鮮明になってきた方向性が、「クローズド」。

コワーキングスペースはオープンでありながらも誰でも入ることのできるパブリックな場とは異なりどうしてもクローズドな側面もあります。それゆえに認知をテーマに活動してきた1年目はどうしたらより多くの人たちにこの場所を知っていただけるのか、に思い悩ませてきました。

でも運営している中で、また利用者とコミュニケーションを重ねる中で、働くスペースとしてはそれも案外良いのではないか、より「クローズド」であることを逆手にとったスペース運営を考えたいとも思うようになったのです。それは以前noteにも書いたように、石川県がよりクローズドな環境を好む「会(かい)」の文化が根強く残る地域であることも関係しているかもしれません。

石川に限らず多かれ少なかれ日本の地方都市は都会に比べよりクローズドな文化を持っていると感じている方も多いのではないでしょうか。

そんな地方都市で、わたしたちが描く「クローズド」をテーマにしたスペース運営をもう少し深ぼってみたいと思います。

フェーズ1. 認知拡大期:アーリー層へのリーチ(1〜3年:〜15万/月)

すでに驚愕の数字を掲載していますが、まず、地方都市においてコワーキングスペースのみの運営で生計を立てようとするのはほぼほぼ難しいと考えて挑むべきだと思います。

わたしたちの計画も、認知拡大期は潜る期間としてここだけは現実的に月15万くらいの売り上げが上がるようになるまでじっと耐える期間と決めました。

とにかくまずは少なくても安定した収益化を目指し、

①大きな予算を投じずに月間メンバーを増やすこと。
②そのために、その地域のフリーランサー(数少ないかもしれないけれど)にはきちんと見つけてもらえる体制を取ること。
③地方都市におけるコワーキング運営を細く長く続けるために、コワーキングではないところでの収入をきちんと確保すること。

を核としつつ、知ってもらえるための様々な取り組みを行いました。

フェーズ2. サロン化期:アーリー層の要望にしっかりと応えつつ価値拡大(4〜7年:〜100万/月)

現在2年目をもうすぐ終えようとしているわたしたち。3年目を経てこの後目指していきたいのはコワーキングスペースの「サロン化」です。

イメージとしては①の認知拡大期に地域のフリーランサーなど、アーリー層の利用が促せたら、すぐにその次の層にリーチしようと拡大するのではなく、世界観をより鮮明にブラッシュアップしながらもすでに利用してくれているアーリー層の要望に徹底的に応えるフェーズです。

わたしたちはこのフェーズで自ずとクローズドになっていくと考えているのです。

例えばこんなイメージ

①月間・年間メンバーだけでなくドロップイン利用も会員制にすることで一見さんや冷やかし利用はできなくなる
②各枠ごとに利用人数制限を設ける
③メンバーのコミュニティ化(イベントやセミナー開催・仕事の受発注など)
④レンタルスペースとしての貸し出しは縮小?
⑤年間メンバーなどが利用できる固定席の導入・拡張?

など。

わたしたちの世界観をより鮮明にしつつアーリー層の要望にソフトもハードも徹底的に応えることでより付加価値の高いコワーキングスペースとして機能し、利用者のコミュニティ化を図ます。運営メンバーだけでなくコワーキングメンバー含めて自分たちのスペースのアンバサダーとなっていただくことでコワーキングスペースを利用することの価値がただの場所の利用ではないことが文化として地域に浸透できることを目指します。

マネタイズポイントとしては年間・月間メンバーの利用料、年会費を柱に、そのメンバーが欲しいコンテンツ(ランチや夜のBAR営業、オリジナルグッズなど)を揃えることで+αの課金ポイントを作ります。

売り上げとしては月間で100万円程度になるまでをイメージし、専任の担当者を置きコワーキングスペース単体で自走できる状態を目指します。


フェーズ3. 概念化:クローズドメディアとしてのコワーキングスペース(8年〜:100万/月〜)

地方都市のコワーキングスペースだからこそ、あえてオープンにせず、月間メンバーや年間メンバーに重きを置いて顔の見えるコミュニティを目指す。そして同じ方向を向いて新しい働き方をする人たちのコミュニティにクローズドな空間だからこそ発信できるコンテンツを載せていく。わたしたちが目指すコワーキングスペースの世界はここにあるような気がしています(暫定)。

このフェーズで大切になってくるのはこんなところ。

①メンバーのコミュニティをより活発に運営
 →お互いのポートフォリオも理解し、様々な仕事の相談がEATLABにくればできると思える環境の整備
②他スペースの企画・運営受託など
③オリジナルのセレクトブランド「Eat, Work, Get inspired.」による物販キュレーション

実はフェーズ2でも密かに書いていましたが、オリジナルグッズを+αのマネタイズポイントとして用意すること。すでに少しずつ温めていますが、EATLABでは「Eat, Work, Get inspired.」というセレクトブランドを展開しています。新しい働き方に合わせて使ったり提案したりしたいオリジナルグッズたち。少しずつ成長を遂げたわたしたちが提案したいのは、コワーキングスペースという「場所」ではなく、暮らしと仕事の間にある食まんなかに繋がる自由な働き方そのものになっているのだと思います。

そうした中で目指すのは「EATLAB=コワーキングスペース」ではなく「EATLAB=EATLAB」として概念化すること。

それがあってこそ、他スペースの企画や運営受託をしたりオリジナルブランドである「Eat, Work, Get inspired.」がEATLABのスペースを離れて羽ばたき始めるのです。


…と、まあ、フェーズ1こそ多少現実的だったものの、フェーズ2、フェーズ3といくに連れてなんともポジティブ。夢は大きく!というところでしょうか。

この1年の振り返りを書いた1本前のnoteでも書いたように、わたしたちの仕事は、「コワーキング文化砂漠の地方都市における新しい働き方と向き合い続けること」なのだと思うと、こうした時代だからこそ常にややポジティブにわたしたちにできることを考え続け更新し続けていきたいと思います。







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