「楽しく」声づくりをする
「声が小さい。もう一度、やり直し。」
このような指導を繰り返していると、教室の空気は冷える。 声の小さな子どもは委縮してしまう。また、教師は「大きな声を出させること」に終始してしまい、本来の目的を見失ってしまうことがある。
「声の小さな子ども」には、様々なタイプがいるが、経験上、学級に安心・安全の雰囲気が生まれくると、そのほとんどの子どもたちの声は少しずつ大きくなっていくものだ。加えて、声を出す経験をさせることで、より自信をもって発声することができるようになる。
声を出す経験は「楽しく」行いたい。 例えば、声に反応して音を出すグッズを活用する。担任をしているとき、よく使っていたのはハローウィン人形。大きな音に反応して「ウァッハハハ」と笑うものである。人形の置く距離を変えることによって、個別指導も可能である。全員で大きな声を出す楽しさも味わわせることができる。ちなみに私が使っていた人形は15m離れていても音に反応するものであった。
返事・あいさつ・発表の際、この人形を教室の前に置き、「この人形を笑わせよう」を合言葉に練習すると、和やかな雰囲気になり、意欲的に声を出そうという気持ちを高めることができる。
このように、グッズの力を借りて楽しく「声づくり」を指導することも効果的である。