授業で「学級経営」の充実を図る
授業とは「学校生活の基盤」であり、子どもたちと「正面から向き合う時間」でもある。教師は、「分かる授業、学びを実感できる授業」を積み重ねていくことを通して「子どもたちとの信頼関係」を築いていくのである。
子どもとの信頼関係を築くことは、学級経営の中心的な内容である。つまり、「分かる授業、学びを実感できる授業」をすること自体、学級経営の充実を図っていることになる。
授業を通して学級経営をするためには、「分かる授業、学びを実感できる授業」が必要となる。そのためには、授業の中で生徒指導の機能を生かすことが大切だ。昔からよく言われていることであるが、この考え方も、実際の取組も意外に浸透していない現状があるのではないか。
それでは、授業においてどのような手立てをとればよいか。
授業においても、自己決定の場を与えることが必要である。 自己決定の場があると、自ら考え、判断し、表現しやすくなる。 自己決定のある授業にするためには、以下のような手立てが考えられる。
〇 子どもたちの「知りたい」等の意欲を引き出す教材のしかけをつくる 〇 1人で調べたり、考えたりする時間を確保する 〇 思考場面や観察場面では、考えたりみたりする視点を与える 〇 自分の考えをアウトプットする場がある 〇 個に対応した支援をする 〇 自分で学習課題や学習方法、学習形態を選択できるようにする。 〇 学びを振り返る場をつくる
自己存在感を与える授業とは、一人一人が大切にされ、子どもたちがこの集団で学んでよかったと思える授業である。
〇 子どもの発言を価値づける 〇 子どもの発言を問い返したり、他の子どもに再現させたりする 〇 発問等を工夫して多様な考えに気づかせる工夫をする 〇 説明・指示・発問の後、フォロー(ほめる・価値づけ・確認等)をする 〇 思考を広げたり深めたりする対話ができる工夫をする 〇 確認指示や机間指導で「理解していない」子どもを把握する 〇 全員がアウトプットできる場を設ける 〇 つぶやきや誤答を大切にする
最後に共感的な人間関係の育成である。 〇 子どもたちが安心して学習に取り組めるようにする(学習のルール) 〇 互いに学び合うことの大切さを実感できるような声かけを行う 〇 相互評価等で互いのよさを認め合う場を設定する 〇 話を「聞く」ことの価値を実感させる 〇 教師は、うなずいたり、表情豊か聞く 〇 教師も子どもたちも、互いの発言をつなげるようにする
このように授業に生徒指導の機能をいかすことによって、「児童理解」「子どの信頼関係」「子ども同士のよりよい人間関係」という学級経営の中心的な内容の充実を図る。
このことが、「学習集団としての質の高まり」につながり、主体的・対話的で深い学びの基盤となっていくのである。
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