児童生徒の実態を受け止め、子どもの主体の教育を考える ~義務教育に関する意識に係る調査結果~
文部科学省HPに、令和4年度実施の「義務教育に関する意識に係る調査」が公表されています。
義務教育に関する意識に係る調査:文部科学省 (mext.go.jp)
この調査の目的は、義務教育や学校に期待されている役割、授業や学習スタイル学校生活等について、教職員、児童生徒、国民の意識を調査することにより、義務教育における課題を把握し、中教審等における議論や今後の政策立案に当たっての参考にすることです。
本調査結果は、自治体別には公表されていませんが、全体的な結果概要を知るだけでも、自治体だけでなく、学校の取組を考える上で役立つと考えます。
今回は「児童生徒向け調査」の結果の一部を紹介します。
ちなみに児童生徒とは小4~中3になります。
8割以上の児童生徒が、授業は友達と一緒に学ぶことができて楽しいと感じている一方で、約3割の児童生徒が、授業の内容が難しすぎると感じている。【p.22】
児童生徒の7割以上が授業で学ぶことが将来役に立つと感じ、6割以上が自分の毎日の生活と結びついていると感じ ているが、そのように感じる児童生徒は学年が上がるほど少なくなる傾向にある。【p.23,24】
児童生徒の約6割が、授業で学ぶ量や週当たりの授業時間について「ちょうどよい」と感じている一方で、「多すぎる」ま たは「やや多い」と回答した児童生徒は中学校1年生、2年生で多く、4割以上である。【p.27】
学校での勉強が「得意である」または「やや得意である」と回答した児童生徒は小学生で4割程度であるのに対し、中学生は2割程度 である。
学校での勉強が「あまり得意ではない」または「得意ではない」と回答する児童生徒は小学生で2割程度であるのに対し、中学生では 4割程度である。【p.28】
学年が上がるほど、自分のペースで学びたいと考える児童生徒や、自分の好きな課題で学びたいと考える児童生徒が 多い。中学校2年、3年生の半数以上が「自分のペースで学びたい」と考えている。【p.29,30】
学校生活を通じて身に付けたいこと、身に付いていると思うことはいずれも、基礎的・基本的な知識・技能という回答 が最も多い。【p.34,35】
「失敗を恐れず挑戦する力」「相手に伝わるように自分の考えを表現する力」は、学校生活を通じて身に付けたいと考 える児童生徒が半数以上であるのに対して、実際に学校生活を通じて身に付いていると思っている児童生徒は3割 未満である。 【p.36】
7割以上の児童生徒が、学校に通うことは楽しいと感じている一方で、学校で勉強することは楽しいと感じる児童生 徒は約5割で、学年が上がるにつれて減少する傾向にある。【p.37,39】
今回の調査結果を真摯に受け止め、本気で子ども主体の教育を考えることができるか、自治体や学校の覚悟が試されると思います。