学校においてSWOT分析は有効か?
十年ほど前、「学校組織マネジメント研修」に参加したことがある。
事前に課題が出された。 自校のSWOT分析である。
これまでSWOT分析については、何度か経験したことがあるが、勉強不足や腑に落ちないところががあり、あまり興味を持っていなかった。 いい機会を与えられたので、SWOT分析について勉強し直してみることにした。
SWOT分析とは、「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの要素を書き出して、それをもとに、どう行動すればいいのかを考えるためのツール、いわゆる経営戦略を考えるためのツールである。
SWOT分析をする際に、おさえておかなければならないことは、以下のことである。
〇この環境分析は、具体的な目標がある場合に、効果を発揮する分析である。
〇企業で言えば、「全社戦略」ではなく「事業戦略」に向いている。
〇「誰が」「何のために」するのかを明確にした上で分析をする必要があるということや「強み」「弱み」の判断は、相対的なものである。
学校に置き換えて考えてみる。
利益を求める企業の経営戦略は、「学校目標を達成するための学校経営戦略」となる。
学校経営をするための資源には、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」などがある。これらの資源をもとに学校の「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの要素を考える。
学校内外の資源等を活用し、学校に関与する人たちのニーズに適応させながら、学校の教育目標を達成していく過程(活動)である学校組織マネジメントを考えるツール1つのツールとして活用する。
企業においては、ライバル社が何ができるかによって、自分たちのできることが「強い」か「弱い」かの評価が決まる。学校においては、ライバル社に相当するものを決めることが難しい。
学校におけるSWOT分析の難しいところは、特に「強み」「弱み」の相対的評価がしにくいところである。 学校全体のSWOT分析をしても、その結果は全体像をとらえるだけになる。それだけでは、アクションプランに結びつきにくい。どちらかというと、具体的な目標を設定しやすい「学力向上」「教育課程」などの内容で分析した方が、分析結果を次に生かしやすいと考える。
学校でSWOT分析をする際には、これらのことに気を付けたい。