子どもたちの動きを変え、思考を促す説明・指示
昨年、初任者の体育の授業(マット運動)を参観した。 単元の導入ということもあり、ルールやマットの準備の仕方、運動の際の留意点など説明・指示が多い授業であった。
参観されていたある先生が言われた。 「説明・指示の多い授業だと、子どもたちは意欲的にならないよね。」
私は、半分正解で、半分間違っていると考える。 確かに、今回の初任者の授業においては、子どもたちは意欲的に動いているとは言えなかったかもしれない。どちらかというと、受動的に説明を聞き、指示に対しても受け身であったと感じる。
しかし、説明・指示は、その出し方や工夫によって、子どもたちの動きを変えたり、思考を促したりすることができる。その結果、子どもたちは意欲的になる場合がある。
例えば、模造紙やスクリーンに映した内容を説明する際には、子どもたちに考えさせたい、気づかせたいキーワード等を隠しておく。教師は、隠したキーワードを子どもたちに考えさせながら、対話を通して説明するのである。動作化できるところがあれば、個別やペアで確認させてもよい。できていれば、称賛する。
このように、ユニバーサルデザインの技法「隠す」を「説明」で活用する。そして「説明」を「説明→確認→フォロー」をセットで組み立てると、子どもたちの理解も深まり、意欲も高まると考える。
指示については、指示後、すぐに全体を動かすのではなく、1つのチームをモデルとしてさせてみる。他のチームは、指示どおりできているか確認するのである。モデルとしてさせてみる。特に複雑な動きや準備の場合は、有効な方法である。モデルのチームには、うまくいかなくても「おしい!95点」「すごい!120点」と評価してあげ、何が足りなかったのか、何がプラスの点数になったのかを全体で考えさせ、理解を深めるようにさせる。
紹介したのは、ほんの一例であるが、説明・指示を工夫することによって、子どもたちの動きを変えたり、思考を深めたりして、意欲を高めることもできるのである。
教職5年目までに身に付けておきたい考え方等である。
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