感性さんと思考さん
あるところに、“感性さん”と“思考さん”がいました。
2人は『ふたりでひとつ』の間柄でしたが、思考さんは感性さんのことをずっと嫌っていました。
なぜかと言うと、思考さんの目には、感性さんがいつも自由気ままにしか行動せず、
しかもその行動に、しっかりとした根拠がないように見えていたからです。
そのため、思考さんは感性さんのことを、“足手まとい”とさえ感じていました。
しまいには、思考さんは感性さんをポリバケツに放り込み、“我慢”という形で抑圧しようとしました。
思考さんが頑張ろうとすると、必ず感性さんが、
“眠い”
“疲れた”
“痛い”
と、訴えてきたからです。
そんなある日、思考さんは感性さんに話しかけられました。
しかし、思考さんは感性さんをまともに取り扱いませんでした。
思考さんは、感性さんの感覚は自分らしくあるために邪魔なものだと思っていたので、
感性さんの話すことは、どうせろくなものではないだろうと思っていたからです。
そして思考さんは、ずっとあるものを探していました。
それは、七色に輝く虹でした。
みんなの中には虹があるのに、いくら探しても自分の中には見つからないのです。
どうして自分の中に虹がないのか。
自分の虹はいったいどこにあるのか。
思考さんは、昼夜を問わず虹を探し続けていました。
しかし、誰に聞いても、いくら探しても、虹はどこにもありませんでした。
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あるとき思考さんは、感性さんがずっと自分が振り向くのを待っていることに気がつきました。
そしてそこで、今まで自分がいかに感性さんをないがしろにしてきたのかに気づき、反省しました。
そして、感性さんが持っていた箱を一緒に見てみると…
そこには、思考さんがずっと探し求めていた虹がありました。
思考さんがずっと探し求めていた虹は、感性さんが持っていたのです。
しかし思考さんは、感性さんの素晴らしさに気づくことがなかったので、ずっとその虹の在りかに気づけませんでした。
それから大の仲良しになった感性さんと思考さんは、2人で協力してたくさんの虹を作りました。
そしてその虹は、たくさんの人の頭上を照らす光となりました。
感性さんと思考さんは、そうして『ふたりでひとつ』の世界の中で、幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし🌈✨
おしまい
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