元ひきこもりが考える親が子どもに伝えるべきこと6つ
私は大学を卒業したあと、5年間ひきこもっていました。
それと同時期に姉が亡くなり、姪っ子たちと同居を始めました。
それから10年以上経ち、そんな彼女たちも今では立派な高校生になりました。
そんな彼女らの大学進学に際して、経済的なことや進路についての問題を目の当たりにするうちに、ふと、
―子どもが18歳になるまでに、親が伝えるべきことってなんだろうか。
と思ったときに、元ひきこもりとして書けることがあるのではと思い、今回記事にしてみました。
結論から言ってしまうと、私は子どもにモノを買い与えたり塾に通わせるよりも、
以下のことをした方が、ずっとずっと子どものためになるのではないかと思っています。
それが、こちら。
子どもらしさを否定しない
子どもの弱みを強みにとらえる
親が自分の人生を楽しむ
ダメなところ・カッコ悪いところも見せる
お金・苦労のブロックを植えつけない
良いメンターに出会えるようにする
以下で、詳しく見ていきます。
子どもらしさを否定しない
よくスーパーなどで、子どもを感情的に叱る親御さんを見かけます。
『静かにして!!』『ちゃんと前見て歩いて!!』などなど…。
子どもを注意する時は、どうしても感情的になってしまいます。
それは仕方がありません。
ただ、子どもの持つ“好奇心”や“純粋さ”といった根底の部分まで否定してしまうと、子どもはのびのび育つことができません。
子どもは気づきや発明の天才です。
時には大人の発想力では及びもしない地点まで、軽々と到達することができます。
ただ加減がよくわかっていないので、社会的なルールから外れたり、他の人に不快な思いをさせてしまうこともあります。
それを、頭ごなしに否定するのではなく、純粋な好奇心からやろうとしたことは認めてあげつつ、
そうすることによって何が起こるのかを、感情的に教えるのではなく、優しく諭してあげてほしいのです。
子どもの弱みを強みにとらえる
また、一見子どもの弱みに思えることもポジティブにとらえることが大切だと感じます。
例えば、子どもがテストで低い点数をとってしまったときでも、
“うちの子は頭が悪い”、“学力がない”などとは思わずに、
“ただ知らないだけ”、“ちゃんと勉強していないだけ”
ととらえます。
『興味がわかなくて勉強がつまらないから、低い点数取っちゃったのね』とだけとらえる。
また、絵ばかり描いていたり、好きなゲームにばかり没頭する子に対して、
“好きなことしかしない子”、ではなく、
“好きなことには熱中して取り組める頑張り屋さん”、ととらえる。
弱みや短所に見える部分を、強みにとらえて、それを子どもに伝えてあげてほしいのです。
「あなたは○○なところがあるけど、それはつまり、△△ということでもあるね。」と、優しく伝えてあげるのです。
子どもの社会は残酷です。
子どもの社会では、成績や運動能力や容姿などの目に見える形だけで、自分の評価が決まってしまうことがあります。
恵まれた一握りの人以外は、よくても“平凡”、“無個性”とカテゴリー分けされ、ひどいと“人として生きる価値なし”とみなされてしまうのです。
誰かから直接言われなくても、いじめられたり仲間外れにされることで、そうしたレッテルを貼られてしまうことがあります。
そんなとき、親からのポジティブな言葉は、子どもにとって救いになり、困難なことにも立ち向かっていける強さや自信になります。
親が自分の人生を楽しむ
これはなかなか難しいかもしれません。
子どもを育てていると、親の生活のすべて(家計管理や毎日の食事作りに加え、習い事の送り迎えや学校のPTA活動のことまで)が子ども関連のことに奪われてしまうからです。
しかし、親自身が子育てに疲れきってしまうと、
“あなたを立派に育てるために苦労してるの、つらいの。”
というメッセージを発してしまい、結果として子どもは
“自分の存在は親を不幸にするのだ。”
と、自分の存在自体に罪悪感を持ってしまいます。
たとえ、“あなたを育てることができて楽しい!嬉しい!幸せ!”
というメッセージを送れなくても、親自身がそれまでの人生で選択してきたこと(仕事、結婚、出産、離婚など)に対して、
“いろいろと大変なことはあったけれども、最終的には満足している”
と子どもに間接的にでも伝えてあげることで、子どもは安心することができるのです。
ダメなところ・カッコ悪いところも見せる
誰だって完璧ではありません。
親として、一人の大人として、ダメなところ・カッコ悪いところを子どもに見せていいのです。
「お母さん、○○が苦手なのよね。一緒に手伝ってくれない?」
「お父さん、小さいころ××が下手で、今も上手にできないんだ。」
そんなことを子どもに話していいのです。
それが間接的に、
“いくつになっても失敗して大丈夫”
“完璧でなくても大丈夫”
といった、子どもが大人になった後も心の支えになるようなメッセージを伝えることができるのです。
また、子どもは親に頼られることで自信がつき、自分の存在に対してゆるぎない安心感を得ることができます。(もちろん、親は度を越した形で頼ってはいけませんが)
大事なのは、過度に子ども扱いしたり、逆に子どもの成長に見合わないような負担をかけることではなく、
何歳であっても、子どもはあくまでも意思を持った一人の人間として尊重することだと私は考えます。
お金・苦労のブロックを植えつけない
世の中には、
お金儲けは悪いことだ
お金の使い過ぎはよくない
苦労しないと幸せにはなれない
苦労は買ってでもすべきだ
というような、お金や苦労することに対するブロックがあります。
しかし、お金に対して潜在意識で“ない状態に”フォーカスしていると、いつまでたっても経済的に豊かにはなれません。
また、“苦労しないと幸せになれない”といったマインドブロックも、つらい経験ばかりを引き寄せてしまいます。
“苦労”や“辛いことに耐えること”を美徳と教えずに、純粋に好きなことをつきつめていくことの大切さや、
お金に対してポジティブなイメージを子どもに与えることが、親として大事だと感じます。
苦労することを子どもに無理に教えなくても、好きなことならどんな困難なことだって楽しんで取り組めます。
親が教えるべきことは、苦労をよしとすることよりも、子どものありのままの個性を認めてあげ、伸ばしてあげることが重要なのです。
良いメンターに出会えるようにする
親が子どもにできることは限られています。
親が子どもの“メンター”の役割を担えれば最高ですが、たいていの家庭では子どもを育てることにいっぱいいっぱいで、そこまでの余裕を持つ家は少ないのではないでしょうか。
何より私自身が、伯母という比較的ラクな立場ではありますが、姪っ子たちの良いメンターになれているかといったら、あまり自信がありません。
ましてや親という立場ならなおさら、良いメンターでいることは困難だと感じます。
なので、親が子どものメンターになるのではなく、子どもが自分にとって適切なメンターを自分で選べるように育てることが重要になってきます。
どうやって育てるかと言うと、上記でご紹介した、
子どもらしさを否定しない
子どもの弱みをポジティブにとらえる
親が自分の人生を楽しむ
ダメなところ・カッコ悪いところも見せる
お金・苦労のブロックを植えつけない
ということが大事になると考えます。
また、これらを実践することができなくても、
「世の中にはいろんな人がいる。お父さんやお母さんが教えられないことを教えてくれる人がたくさんいる。
そういった人たちとどんどん出会って、いろいろなことを学んで吸収していってほしい。」
といった言葉を送ることで、良いメンターに出会うことをうながすことができます。
おわりに
最後に思うのは、やはり子どもにとって大事になってくるのは、経済的な豊かさよりも心の豊かさだということです。
もちろん、お金は大事です。お金がないと教育も満足に受けられません。
私自身ひきこもり経験が5年あってもスムーズに社会復帰できたのは、“大卒”という肩書を親から与えてもらっていたところがあると感じています。
なので、なんとしてでも子どもを大学に行かせたいと必死になる親御さんの気持ちは、痛いほどわかります。
しかし、お金だけでは子どもの心は満たされません。
子どもが将来お金に困らないように、豊かに暮らせるようになってほしいと願うなら、
親でいることを楽しむこと、そしてありのままの自分自身や子どもを愛すること。
これが、まわり道のようで一番の近道になってくると感じます。
その上で親御さんにお願いしたいのは、お子さんを信じてあげてほしいということです。
子どもを信じられるということは、自分を信じられるということです。
自分のやってきたことが信じられるので、“この子なら大丈夫”と、子どもを信じることができるのです。
『私が育てた子なんだから、大丈夫!』というメッセージを親から受け取れるかどうかで、子どもが自らの将来をポジティブに見れるかが決まってくるように感じます。
なので、繰り返しにはなりますが、
親でいることを楽しむこと、そしてありのままの自分自身や子どもを愛すること。
これを、ぜひ意識していってほしいなと思います。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました🍀
この記事がなにかのヒントになれば幸いです。
※今回参考にさせてもらった記事↓
(私も何回か参加したことのある、ひきこもり女子会を主催している団体の代表の林恭子さんの記事です。)
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