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“早朝始発の殺風景” 読了!
表紙に惹かれて図書館で借りてみたら、かなり良かった本。
あらすじ。
青春は気まずさでできた密室だ——。
今、最注目の若手ミステリー作家が贈る珠玉の短編集。
始発の電車で、放課後のファミレスで、観覧車のゴンドラの中で。不器用な高校生たちの関係が、小さな謎と会話を通じて、少しずつ変わってゆく――。
ワンシチュエーション(場面転換なし)&リアルタイム進行でまっすぐあなたにお届けする、五つの“青春密室劇”。書き下ろしエピローグ付き。
中高生たちそれぞれの「気まずさ」がテーマになっている短編集。
ただの青春小説かと思えば…それぞれ痛みや苦しみ、悩みを孕んだ謎を抱えていて。
だけどそこまで重すぎることもなく、結構さらっと読み切れる。
短編集ならではの、バラバラだった物語が最後に繋がっていく感じもあって良かった〜!
短編集結構好きなんですよねぇ。
特に好きだった話は、「メロンソーダ・ファクトリー」と「夢の国には観覧車がない」
_あらすじ
女子高生三人はいつものファミレスにいた。いつもの放課後、いつものメロンソーダ。
ただひとつだけいつも通りでないのは、詩子が珍しく真田の意見に反対したこと。
_好きなセリフ
・・・確かに毎日のように仲よくして、毎日のように無駄話を続けていると、言いだしにくいことはどんどん奥に追いやられる。買ったきり忘れたアイスみたいに、気づいたころにはカチカチに凍りついていたりする。
_あらすじ
高校生活の集大成、引退記念でやってきた幕張ソレイユランド。気になる後輩もいっしょだ。なのに、なぜ、男二人で観覧車に乗っているんだろう——。
_好きなセリフ
・ディズニーランドとディズニーシーには、観覧車がないじゃないですか。
1番泣けた話は、「捨て猫と兄弟喧嘩」。
_あらすじ
半年ぶりに会ったというのに、兄貴の挨拶は軽かった。いかにも社交辞令って感じのやりとり。でも、違う。相談したいのは、こんなことじゃないんだ。
_好きなセリフ
・あたしたちも猫と同じなのかもしれない。一人で生きるにはまだまだ無力で、飼い主たちの都合にあらがえない。
めっちゃ共感したのは「三月四日、午後二時半の密室」。
_あらすじ
煤木戸さんは、よりによって今日という日に学校を欠席した。
そうでもなければ、いくらクラス委員だとしても家にまでお邪魔しなかっただろう。
密室の中のなれない会話は思わぬ方にころがっていき——。
_好きなセリフ
・仲がいいわけでも悪いわけでもない、顔と苗字だけ知ってるって程度の、中途半端な関係のクラスメイトがたくさんいて。そんな人たちと無理に話を合わせながら三年間過ごして。窮屈で居づらくて、気まずかった。青春ってきっと、気まずさでできた密室なんだ。
一番ラストが好みだったのは、表題作の「早朝始発の殺風景」。
_あらすじ
早朝始発の列車でなぜか出会った同級生(あまり仲はよくない)の思惑はどこにある——?
男女の高校生がガラガラの車内で探り合いの会話を交わす。
_好きなセリフ
・…普通じゃ無いけど、正しいことだと思うよ。