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恋のキューピッド

救急病院の在職時、検査技師のA君とB君と3人で忘年会の幹事を任されたことをきっかけに仲良くなりました。

A君とB君とは、なぜか気が合い時々食事をしたりジムも同じとこに通ったりしていました。

そして、その関係は救急病院の病棟閉鎖により、3人がバラバラになっても時々食事をしたりして近況報告会をしていました。


私が兄の紹介で就職したクリニックは外来クリニックとはいえ、診察室が11室もあり4人の医師と11人ほどの看護師がいました。

休憩室の席が決まっていて、私のグループの席にMちゃんがいました。

Mちゃんは肌がきれいで、性格も明るく、医師や患者さんの対応もよく、私がパソコン操作で困っていると助けてくれたりと優しい人でした。

年下ながらしっかりしていて、私は素敵な女性だなと思っていました。

そんなMちゃんには悩みがありました。
彼氏ができないというのです。
時々デートに行くようなことはあっても、その後の交際には発展しませんでした。

よくMちゃんから恋愛相談もされていました。
私はMちゃんの魅力を十分に知っていたので、焦る気持ちもわかるけど、Mちゃんは大丈夫と伝えていました。


久しぶりにA君とB君との食事会。
A君から長年付き合っていた彼女と別れたと報告がありました。

一瞬Mちゃんのことが私の頭に浮かびましたが、前にMちゃんに聞いた理想のタイプとA君は違っていたので、その時はMちゃんの話しはしませんでした。

Mちゃんから、これだけは譲れない条件で、お酒を一緒に飲める人と、タバコを吸わない人と聞いたことがありました。

A君は全くお酒を飲めない下戸で、そしてヘビースモーカーでした。


クリスマスが近くなった頃、Mちゃんが彼氏もいないし暇だというので、私と出かける約束をしていました。

そんな時、A君からもクリスマスが暇という連絡があったけど、私はMちゃんとの約束があることを伝えました。
だったら一緒にクリスマス会をやろうと、なんだかいつもよりテンション高めのA君から提案されました。

私は返事に困りました。
私は長年のA君との付き合いでMちゃんがA君のタイプの様な気がしていました。
しかし、Mちゃんの譲れない条件を知っていたので、下手にA君を紹介して、A君が傷つくのも見たくありませんでした。
するとA君は色々と察したようで、
「クリスマス会には彼氏が欲しいMちゃんのために友人のイケメンを連れて行くから」と。


クリスマス当日。

私とMちゃん、A君、B君、そしてA君が連れてきたイケメン2人を加えて楽しくクリスマス会をしました。
A君とMちゃんは、ほとんど話しをしていませんでした。

そして、クリスマス会も終わり、数日後Mちゃんから言われたのです。
「あの時集まった中で、A君が1番カッコ良かったし、もっと話しをしたかった」と。

私は、「えっっっ~!」となりました。
あの時もA君はいつものようにお酒も飲まず、タバコも吸っていたような...。
私は、Mちゃんの話しに、「そうなのぉぉぉ~!」と驚くばかりでした。

A君にMちゃんの気持ちを話したら、きっとA君も喜ぶと思いました。


正月休み前の仕事は忙しく、バタバタと過ごしていました。

29日にA君からクリスマス会のお礼の電話がありました。
「MちゃんがA君のことを1番カッコ良かったって言ってたよ」
と話すと、A君は大喜び。
「年内にMちゃんに会いたいから、私も一緒に来てほしい」
と頼まれました。
そして、次の日には3人で会っていました。

でも、その場所に私は必要ありませんでした。
会った瞬間2人は嬉しそうに話し始め、一緒にいる私が恥ずかしくなるくらい2人の世界でした。

後日、2人から正式に交際すると報告がありました。

Mちゃんの譲れない条件は、タバコは即禁煙となり、お酒に関してはMちゃんが飲んでもA君が車の運転ができるから、逆に良かったという事で一件落着となったようでした。


私がたまたま恋のキューピッドになり、2人は1年ほどで結婚しました。
そして、子供が生まれからも皆で会ったり、年賀状を見るたびに、なぜか孫の成長を見ているような不思議な気分になります。

結局のところ、2人はお互いに一目ぼれだったみたいですけどね。














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