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宇宙食のカレーはなぜ人気?無重力下で美味しく食べられる秘密
「宇宙でも食べたい!」
日本人宇宙飛行士の野口聡一さんが、国際宇宙ステーション(ISS)滞在中、SNSでこんな言葉を残しました。何を食べていたかって?そう、カレーです。
実は、宇宙食の中でカレーは特別な存在。宇宙飛行士たちからのリクエストが最も多い食事のひとつなんです。その理由には、科学的な背景がありました。
宇宙での食事:味覚が変わるって本当?
「宇宙では味覚が変化します」と語るのは、JAXAの宇宙食開発に携わる田中さん(仮名)。
微小重力環境では、体液が上半身に集まり、鼻が詰まったような状態に。これにより、地上の約70%程度しか味を感じられなくなると言われています。そのため、味が濃く、香りの強い料理が重宝されるのです。
カレーが宇宙で人気の3つの理由
香りが強い
スパイスの香りは鼻づまり状態でも感じやすい特性があります。特にターメリックやクミンの香りは、味覚を補う重要な役割を果たします。とろみがある
無重力空間では、食材が飛び散らないことが重要です。カレーのとろみは、具材をまとめ、食べやすくする理想的な性質を持っています。栄養価が高い
カレーは肉や野菜、スパイスが豊富で、宇宙で必要とされる栄養を効率よく摂取できます。限られた荷物で栄養を補う宇宙食としてぴったりなのです。
宇宙食カレーの秘密:技術と工夫
「最大の課題は『飛び散り防止』でした」と田中さん。
無重力環境では、地上でのようにスプーンで簡単にすくえるわけではありません。そこで、以下のような技術が用いられました:
適度な粘性を持たせるための特殊なとろみ剤
真空パック技術による密封
長期保存を可能にする滅菌処理
地上への応用:宇宙食のカレーが広げた可能性
宇宙食カレーの開発から生まれた技術は、地上でも役立っています。例えば:
介護食:とろみ技術を応用し、高齢者が食べやすい食事を開発。
災害備蓄食品:長期保存可能な食品として、防災用に採用。
アウトドア食品:軽量で持ち運びやすい携帯食品として展開。
特に「香りを強調する技術」は、地上の食品産業にも新たな可能性をもたらしました。
宇宙でカレーを食べる特別な体験
ISSの窓から見える地球。その地球は、実はカレーに似た色合いを持っているのだとか。野口さんは、「地球を見ながら食べるカレーは、故郷を感じる特別なひととき」と語っています。まさに、宇宙でカレーを食べることは、地球を想い、心を癒す瞬間なのかもしれません。
宇宙食の開発はこれからも続きます。「より美味しく、より安全で、より地球に優しい宇宙食を」という目標に向けて。その未来の一端には、カレーがしっかりと根付いているのです。
次回は「カレーパンは進化する - ご当地カレーパンの最前線レポート」をお届けします。お楽しみに!
(おわりない!!