AIされ続ける世界の料理『カレー』- その知られざる起源と進化
みなさん、カレーって不思議な料理だと思いませんか?アジアからヨーロッパ、アメリカまで、世界中で愛されている料理の代表格なんです。
インド亜大陸を中心に広がり、今や世界各地で日常的に食べられているカレー。ただし、私たちが思い浮かべるカレーと、世界各地で食べられているカレーは、まるで別物と言っていいほど違います。
そもそも「カレー」という言葉自体、興味深い歴史があるんです。インド南部のタミル語で「カリ(கறி)」は「おかず」や「ソース」を意味していて、それがいつの間にか「カレー」として世界中に広まっていったんです。つまり、最初から特定の料理を指す言葉じゃなかったんですね。
面白いことに、世界各地には「ウチのが本物のカレーだ!」って主張する人たちがいるんです。でもね、これが全部正解なんです。だって、カレーほど「その土地の味」に染まった料理もないですからね。
イギリス発祥のチキンティッカマサラ(1970年代にイギリスで生まれた新しい料理なんです!)
日本の給食カレー(あの独特の甘さがクセになりますよね)
タイのグリーンカレー(ココナッツミルクの甘さとスパイシーさのハーモニー)
インドネシアのルンダン(カレーというより煮込み料理?)
これらはどれも、その国の人々の味覚や文化、そして手に入る食材によって進化を遂げてきました。
日本のカレーの歴史も実に興味深いんです。明治時代に「カレーライス」として入ってきた時は、一般家庭ではなかなか口にできない高級料理でした。それが大正時代に入ると、カレー粉の国産化や軍隊での採用により少しずつ広まり、今や「国民食」として愛されているんです。
最近では、カレーはさらに新しい進化を遂げようとしています。環境への配慮や健康志向を反映して、ビーガンカレーや、食物アレルギーに配慮したグルテンフリーカレーなど、多様なバリエーションが生まれています。カレーって、時代のニーズに合わせて、どんどん形を変えていく「生きている料理」なんです。
そう考えると、「本場のカレー」って言葉自体が、ちょっと追いかけっこしているような感じがしませんか?だって、カレーの素晴らしさって、むしろその自由さ、その進化する力にあるんじゃないかな。
今、あなたの家で食べているカレーだって、れっきとした「本物のカレー」なんです。なぜって?それは、あなたとあなたの大切な人たちが「美味しい」と感じるカレーだから。
結局のところ、カレーの魅力って、こうやって世界中の人々の舌と心をつかんで離さない、その不思議な力にあるのかもしれません。
次回は「スパイス1グラムの違いが命暫れる - カレー職人の修行の世界」をお届けする予定です。カレーの世界の、また違った一面をのぞいてみましょう。
(おわり)続く。・・