歴史とはカレーと漫画であるからして深すぎる関係
みなさんは「カレーを題材にした漫画」と聞いて、どの作品を思い浮かべますか?
『華麗なる食卓』の伝説的なカレー回?『美味しんぼ』のスパイス講座?それとも、カレーへの愛を名前に冠した漫画家・カレー沢薫さん?
実は、日本の漫画とカレーには、深くて面白い関係があるんです。
漫画のカレーは時代を映す鏡
「漫画の中のカレーシーンって、その時代の食文化を映す鏡なんです」
そう語るのは、漫画研究家の山田さん(仮名)。1950年代から現代まで、漫画に登場するカレーを研究してきた山田さんによれば、漫画に描かれるカレーの姿には、時代ごとの食文化の変化が映し出されているそうです。
カレーの描かれ方:時代別の変遷
1950年代:憧れの洋食
『サザエさん』ではカツカレーが「贅沢な外食」として描かれる。
この時代、カレーはまだ「特別な料理」として位置づけられていました。
1970年代:みんなの料理
『おそ松くん』で描かれる「カレーパーティー」。
レトルトカレーの普及で、家庭料理としてのカレーが一般化。
1980年代:進化するカレー
『ミスター味っ子』で本格スパイスカレーが登場。
高級カレー専門店やインド式カレーが注目を浴び始めた時代。
2000年代以降:探求するカレー
『孤独のグルメ』では、ご当地カレー巡りや職人技がクローズアップ。
スパイスや調理法の詳細な描写が増え、カレーが「探求対象」として描かれるように。
現代のカレー漫画:物語の中心に
現代では、カレーは単なる料理の一つではなく、物語の象徴的な要素としても描かれます。例えば、家族の思い出の味、友情を確認し合う食事、あるいは職人のこだわりを通じて人生を映し出す鏡として。
特に注目したいのは、カレー沢薫さんの作品群。カレーそのものだけでなく、それを通して見える人間模様や生活の機微を描き、読者に「カレー」という枠を超えた感動を届けています。
漫画が生んだカレー文化の新たな波
漫画の影響で実際にカレー店を始めたという店主も少なくありません。
「『このカレーを再現したい』と思い、スパイスの勉強を始めました。そのうち、自分の理想のカレーを追求したい気持ちが強くなって、気づいたらお店を開いていました」
(東京・下北沢のカレー店主)
次回予告
次回は「宇宙食のカレーはなぜ人気?無重力下で美味しく食べられる秘密」をお届けします????