月の時代を記憶する植物たち
(ヘッダーの写真:ゲンノショウコの芽吹き)
雪が解けると、寒さに耐え地面にへばりすいていた植物がだんだんと立ち上がってきます。ヘッダー写真のゲンノショウコは多年草で、雪が解けてすぐに、こんな状態なので、冬はこのままロゼット状で葉がついたまま雪の下で過ごしているようです。
上の写真だと、葉っぱが広がろうとしているところは、花の開花のようでもあります。
タイムとラベンダーはゲンノショウコと同様に、雪の下で緑の葉をつけたままつぶされていたのが、徐々に立ち上がってきた。双方とも水浸しは嫌うので、ちょっと高いところに植えた方がよかったりします。
アサツキは雪解けとともに、ニョキニョキと生えてきたものです。フキノトウも、多年草だけれど、冬の間は地上部はなく、春が来ると地中から現れます。
同じ多年草でも、そんな違いがあるのです。
マニアックな植物観察の場合には、どのような力が働いて、そんな振る舞いをしているのだろう、とか、地中では何が起こっているかも観察から見いだしていかなければならない。
ゲンノショウコ、タイム、ラベンダーは、年数がたてばたつほど、根が広がり、株が大きく育っていきます。タイムなどは、横にどんどん広がっていき、着地したところから根を生やして大地に結びついていく。
一方のアサツキのような植物は、あまり地上と結びつこうとしていないと、観ることができます。
玉ねぎやチューリップを思い出してみましょう。地中には球根があり、丸くなった球の下にちょろちょろっと生えているのが根っこです。球根は土から話して掘り出しておいても、生きていくことができる。
つまり、大地とそれほど強く結びつきを持たなくても大丈夫ということなのです。
ユリ科、または最近その分類から分かれたヒガンバナ科の植物たちは、そのように、みずみずしい球根的なものを持ち、根はちょろっと生えているぐらいで、そのしぐさは
「私は完全に地上に降りない」という宣言らしいです( ゚Д゚)。
ルドルフ・シュタイナーによれば、現在私たちが生きる地球は、固い大地があるが、それ以前は、月が地球と一体化していて、固い大地はなく、大気は生命に満たされていて植物たちは大気から直接、必要なものを受け取っていたといいます。
今の自分たちが生きる世界から見たら「どういうこと?」って感じですね(笑) しかし、そう思って植物の気持ちになってみるという、イマジネーションの力が、植物の本質を理解するのに重要なのであります。妄想にならないように注意が必要ですが。
ユリ科たちと比べたら、先に出てきたゲンノショウコ、ラベンダーやタイムは、地上に根付こうとしているんだろうなと感じます。もうちょっと、よく観察してみたいところです。
地上にしっかり降り立っている植物として、薔薇があります。百合と薔薇はそういう意味でも比較される対のものです。
人間は地上に根付きつつも、物質的になりすぎないというバランスが大切なので、植物たちに学べることがたくさんあるのであります。
春は、いろいろなものが観察できて楽しい季節です。マニアック植物観察をはじめてみましょう。
マニアックな植物観察の入り口、参加者募集しています。
アーカイブ受講もあります。
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