カナダのマーケットガーデナー JMについて
Farmer does't to be big to be profitable for you to make a good living
-Jean-Martin Fortie
Jean-Martin Fortier（JM)は、著書「The Market Gardener」の中で6反という小規模農場で年間15万ドルも稼ぐ生産性の高い方法を紹介した本です。この本は世界各地で翻訳されており世界でも有名な人物です。現在彼の妻であるMaude Helenが最初に始めた農場を運営しており、彼は現在同じモデルの拡大版である2.4hの新しい農場La Ferme de QuatreTempsで農業を営んでいます。
これまでの彼のストーリーを少しずつ紹介していきたいと思います。
ケベック州はとても寒い地域で調べてみるとケベックの年間平均気温は4℃。1月は最低マイナス30℃になる日もあるくらい寒い地域です。この環境で農業をして生計を立てる為には緻密な戦略が必要になってきます。JMはそんな気候の中、6反という狭い面積で15万ドルも稼ぐ事が出来ています。
まずJMは2004年に農地を買って圃場を作り始めました。最初は2エーカーの草原があって真ん中の小屋はウサギ小屋でした。最初お金がなかったのでウサギ小屋の中にテントを張って暮らしました。そして農機具も大きなものを買わず、手で扱える位の農機具を買って農業をスタートさせました。多くのパーマカルチャーのメソッドを使った生産性の高いマーケットガーデンスタイルの農場をデザインしました。15年以上圃場を広くする事無く常に最適で効率的な方法を探しながら農業を行ってきました。
このマーケットガーデンスタイルの農業は多くの高い農機具を使わなくてよく、整備投資も少なくてすみます。彼は全ての農産物を直売所や地元のレストランに卸しており、直接お客との関係を築く事に注力しています。今では250のお客がCSAや直売所、レストランを通しています。ここ8年から10年は15万ドル以上の売り上げです。
実際問題日本のローカルにおける農業経営を考えた場合に流通、物流の効率化を考える必要があると考えます。そのためには、どう流通、物流との連携をとるかも重要な課題です。
15万ドルの売り上げがあれば農家にとって生活するのには十分な収入です。一般的な農家で5万～6万ドルの売り上げがあれば十分成功したといってよいでしょう。普通多くの人々は1.5エーカーの広さで十分な売り上げを確保する事は出来ないと思っているはずです。
次回はJMの農場設立前にどういった経緯で農業をする事になったのかを紹介していきます。