
Wikipediaに貴方の会社の記事も掲載出来る?(その2)

(Author is me with NIKON D780)
結論
結論を先に言うと、少しハードルが高いですが、以下の条件を満たすと掲載出来ます。
掲載されるために必要な条件
会社設立から5年以上経過していること。
地元のローカル新聞で取り上げられた回数が3回以上。ただし、お金を払うことで記事にしてもらえる「広告記事」を除きます。
自社以外の Web サイトで自社について取り上げられた回数が3回以上有ある。(地元ローカル新聞の電子版や、業界紙誌の電子版など)
会社の強み(Strong Point)が分かる客観的な成果が有る。
例えば「特許」「実用新案」「意匠権」「商標権」といった特許庁に出願してOK貰っているものが有る。もしくは申請中である。
もしくはあなたの会社が所属している業界や団体から、表彰されたり、認定されたりしたことが有る。
または、地元地域への貢献が評価されて表彰された事が有る。
等々です。
条件をクリアーする方法
上に挙げた条件は、これでも「甘め」です。
会社設立時に公式ホームページを作成し、「X」や「Threds」や「LINE」のアカウント取るような調子でWikipedia に会社の記事を書いても、直ぐに削除されます。
しかも一旦削除されると、削除された履歴が残るため、再度記事を書いても厳しい目でチェックされるので、不用意に記事を書いてしまうのは得策ではありません。
設立から5年?
設立から5年以上という条件ですが、これは必須要件ではありません。
逆に設立から10年経過している会社でも記事と認められないケースがあります。
これは、Wikipedia のルールに「一過性」なものは記事にできないことが、「曖昧」な表現で書かれています。(何故曖昧かと言うと「一過性」の中でも記載されているように「オードリー」を一旦削除し、その後に復活させている事が原因です。)
このルールが曖昧なため、設立1年目でも記事として認められる可能性はあります。
しかし、実現するためには「オードリー」のような爆発的な出来事が必要です。
ローカル新聞で取り上げられた回数が3回以上
これは Wikipedia の記事掲載のための最大のネックである「特筆性」をクリアーするために必要な条件です。その次に記載した
「自社以外の Web サイト(ただし有名なサイト)で自社について取り上げられた回数が3回以上有ある。」
と併せて6回は広告宣伝記事では無い形で、メディアに取り上げられている必要があります。
あえてローカル新聞と書きましたが、全国紙(読売、朝日、毎日、サンケイ、日経)なら尚良しです。
また「Web サイト」も有名で無くても良いのですが、「広告宣伝記事」で無いことが大切です。
会社の強みがわかっている事
SEO 対策の一環として、Wikipedia への記事掲載を考えておられるのであれば、自社の強みについては分析済みだと思います。
しかし、Wikipedia に記事が掲載されるには「自社の強みが客観的なエビデンス(Evidence)」によって証明されている必要があります。
「新しい技術への積極的な取り組み!」
と自社のホームページで謳っても、それは「一次資料」で有るため、Wikipedia では証拠になりません。
これが、
『A社は最新技術へ積極的に取り組んでいる。(地元ローカル紙の記事)』
だと「二次資料」になり、Wikipedia において立派なエビデンスになります。
もっと強力なエビデンスが、所謂、お上から何らかの承認が有ることです。
しかし、お上からの承認といっても ISO9001 や ISO14001 といった、たいていの会社が承認を取っているものでは駄目です。
ところが ISO9001 の承認を取ったことが地元ローカル紙に『A社はXX市内で初めて ISO9001 の認証を取得した会社である。』と記事になれば、話は別で、立派な「二次資料」になります。(とはいっても「たかが ISO9001 でしょ😀」と評価される場合もあります。)
高いハードルを下げる方法
ここからは実践編です。
今まで読んで「これは無理!!」と考えた方がほとんどだと思いますが、「無理」と結論を出すのは時期尚早です。
やり方次第で、この高いハードルを下げることは可能です。
設立からの期間について
記事として採用されるか否かは、
(特筆すべき出来事)✕(設立からの期間)>(Wikipedia 記事採用の基準)
で決まるので、設立1年目の会社は特筆すべき出来事が沢山ないと、採用基準を満たすことが出来ません。
設立から10年経過していたら、それなりに特筆すべき出来事が6個くらいは有る可能性が高いので、採用基準を満たす可能性が高いです。
設立からの期間が短い会社は、「特筆性すべき出来事」で頑張る必要があります。
頑張る方法としては「特許」は無理でも「実用新案」はパスするかどうかは別として申請は出来ます。
「適当な」というと語弊がありますが、Wikipedia に記事を書く前に2個くらい「実用新案」を申請すると、「A社は実用新案を2件提出している。」と記事に書くことが可能で、創業間もない会社が実用新案を2件も提出している事で「特筆性あり」と解釈してくれる可能性は高いです。
メディアへの露出
どんなに業績が素晴らしくても、どんなに先進的であっても検証ができないと Wikipedia では記事になりません。自社のホームページでいくら力説しても、それは「一次資料」に過ぎないので特筆性を支えるエビデンスにはなりません。
結局は一般の新聞、一般の雑誌、業界の専門新聞、業界の専門雑誌もしくは、それらのオンライン版で記事として掲載され「二次資料」になっている必要があります。
クリアーするのは困難なように見えますが、お金さえあれば、そんなに高いハードルではありません。
どうやってクリアーするのか?
それは、プレスリリースを使えばよいのです。プレスリリースについての詳細は共同通信のこのサイト
や、PR TIMES のこのサイトに詳しく書かれています。特に PR TIMES のこのサイトでは「プレスリリース」と「広告」違いについても記載されているので一読されることをおすすめします。
少々暴論気味ですが「二次資料はお金で買える!!」事になります。
他には、地元の新聞社の記者を抱き込むのも一つの手段だと思います。
業界新聞や業界雑誌だと広告を出せば記事の一本くらいは….
結局は特筆性に尽きる!!
Wikipedia で、記事が却下となる理由の一番が「特筆性」です。日本語版Wikipedia で組織の特筆性は以下のとおりです。
特筆性とは「特筆に値する」もしくは「目に留まる」事を指す。
特筆性は「有名」や「重要」であることではない。
大企業は特筆性の証拠となる信頼できる情報源から得られたすぐに調べることができる検証可能な情報があるものです。
しかし、個人が有名人になることがあるように、小規模な組織も著名になることはあり得ます。大企業に有利になる恣意的な基準(例えば、資本金、売上高、上場非上場)は相対的に大規模な組織ほど有利になり不公平ですから、採用すべきではありません。
特筆性は大企業なら大企業なりの基準があり、中小企業には中小企業なりの基準があります。本来は記事で扱う組織の規模によって基準は変わると、日本語版 Wikipedia では謳っています。
しかし、記事を書かずに人の記事のチェックを専門にしているウィキペデイアンは、この事を知らないか知っていてもチェックしたい気持ちが先に出るのかわかりませんが、恣意的な基準を採用し「特筆性なし!!」というレッテルを貼りたがります。
これに対応できれば、あなたの会社の記事が採用されます。
現在進行系ですが、特筆性についてセレクトショップのトゥモローランドのノートページで私が議論を投げかけているので参考までに見てください。
この議論は恐らく誰からも異論が出ないと思います。そして、トゥモローランドの記事は「特筆性あり」のお墨付きをもらえると思います。
この議論を参考に「特筆性なし!!」に対抗してみてください。
まとめ
記事を書くための材料は自分で用意し、Wikipedia 様に整形してもらうのは、前回の記事で列挙したような「専門家?」に任せたほうが良いと思います。
任せる際のチェックポイントは
「会社のテンプレートは何を使っていただけますか?」
に対して
「基礎情報 会社」
と答えられないような業者は避けたほうが良いです。
「基礎情報 会社」のテンプレートを使うと、こんな風に表示されます。


お金と手間を掛ければ記事は掲載されます。
頑張ってみてください。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。