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円から生まれたみんなの”輪”|スクール参加者に聞いたアースバッグの魅力とは

みなさん、お久しぶりです
太陽が溶け出してきたのかと思うほどの酷暑も少しずつ落ち着き、だんだんと日も短くなってきた今日この頃、いかがお過ごしですか?

私たちは現在、この10月から開催予定の実践ワークショップとスクールに向け、着々と準備を進めているところです。
今回はその開催に先立ち、過去のワークショップとスクールの参加者の方々にインタビューを行い、実際に参加した感想や、そこから得られたもの、はたまた個人的な近況まで、いろんなことを聞いてみました!

聞き手はわたくし、スギシタとなっちゃんのふたり。


そして今回インタビューにご協力いただいたのは「ナミちゃん」です。

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なっちゃん:ナミちゃんお久しぶりーー!!

ナミちゃん:久しぶりーーーー!!!


ナミちゃん:2021年秋のアースバッグスクールに参加

スギ:楽しそう(笑)ナミちゃんは今ニュージランドにいるんですよね?

ナミちゃん:そう、もう8ヶ月になるかな、だんだん英語も上達してきて、生活も楽しくなってきたところ

スギ:コロナもあって、海外に行けなかった時期が続きましたから、海外生活は憧れますね

ナミちゃん:実は私もワーホリのビザを取得したのはコロナが始まる前だったんだよね。

スギ:じゃあ、本当はもっと前にニュージーランドに行く予定だったんですか?

ナミちゃん:そうなの。私はもともと看護師として約10年働いていたんだけど、自分の他の可能性にも挑戦したくなって、ワーホリに行こうと思ったの。
ただ、ビザを取った後にコロナの流行が始まっちゃったから、とりあえず私の妹が住んでいた長野に身を置いて、まずは自分を見つめ直す時間を取ったんだよね。

スギ:そこでどんなものが見えましたか?

ナミちゃん:結論からいうと、自分の中にある理想像みたいなものが見えたかな
妹が住んでいた地域は山や川が本当に綺麗な土地で、そこの空気を吸ううちに、私もこんな場所で暮らしてみたいとだんだん思うようになったし、自分の力で暮らしを築ける人になりたいと思うようになった

そこからは、自分の理想に近づけるようにいろんなエコビレッジを周りながら、農業とか、手仕事、家づくりとか、暮らしに関する技術を学んでたんだよね

アースバッグと出会ったのも、その旅の途中

なっちゃん:ナミちゃんは、アースバッグのスクール期間中にも化粧水とか、調味料とか、ありとあらゆるものを自作して楽しんでたよね

ナミちゃん:私は一個のことに長時間集中するのが苦手なタイプだから、常にいろんなものを作って自分を楽しませてる(笑)
その点では、アースバッグのスクールには本当にいろんなタイプの人が参加してて楽しかった!

他の参加者たちと、みんなで作るアースバッグ

スギ:ナミちゃんが参加したのは、2021年秋のスクールでしたよね
他の参加者にはどんな人たちがいましたか?

ナミちゃん:他の参加者にはヨガとか、自然環境に興味を持っている人たちが何人かいてその人たちといろんな情報とか、自分の意見を交換できるのはとっても貴重な機会だったなぁ

でも一番印象に残ってるのは、毎朝必ず新しいギャグ盛り込んで挨拶していた「トッシー」(笑)

修了証を受け取る「トッシー」
ネットを被る「トッシー」

なっちゃん:トッシーは最高のムードメーカーだった(笑笑)ナミちゃんとはまたタイプが全然違うけど、アースバッグを作るっていう目的があるとその違いを越えて団結できるよね!

ナミちゃん:そうそう!1ヶ月間みんなとアースバッグを作って、生活も共にしたけど、そこに流れる連帯感が強くて心地よかった!
毎日みんなで手分けしてお掃除して、作業に向かって、お互いのことを思いやりながらアースバッグを作って、夕食もみんなで食べる。そのあとはそれぞれ自分の時間を過ごして、また新しい朝がやってくる

スギ:生活でも作業でも、一緒に過ごす人たちを思いやることで生まれる空気の暖かさって心地いいですよね

ナミちゃん:一緒に暮らしてると普段できないような深〜〜い話なんかもできるしね

他の参加者との交流もスクールとワークショップの魅力の一つ

スギ:ありますね。特に始まって5日目くらい、みんなが一通りお互いの名前を憶えて、ワークショップの参加者があと数日で帰っちゃうあたりで、急にみんなの距離が近くなるイメージです(笑)

なっちゃん:大人になってから全くの他人と共同生活する機会なんてほとんどないから、面白いよね。私は全寮制の高校に通ってたから、その時期をもう一度体験してるみたいで楽しい

「丸い建築」で心も「丸く」

ナミちゃん:これは私の持論なんだけど、アースバッグのいいところはあの円形にあると思うよ

円筒状に積まれていくアースバッグドーム

スギ:どういうことですか?

ナミちゃん:円って角がないからさ、昔から慣用句でも「角が立つ」とか「丸くなる」っていうくらいだし。角が立たないデザインって、人の心を柔らかくするんじゃないかな?って私は思う

なっちゃん:確かに!昔の日本には、みんなで話し合うときに真ん中を神様のために空けておいて、円座する風習もあったみたい。そうすることで参加する人たちがみんな神様のもとに平等であることを示していたとか

スギ:物騒な例だけど、傘連判状なんかもそうですね。一揆に参加する人たちの立場が平等であることを示すために円を循環するように名前を連ねたらしいですから

ナミちゃん:しかもその円っていうモチーフを大の大人たちが子どもみたいに土をこねて泥んこになって作るわけじゃない?
そんなことしてたら上下関係も何も生まれようがないよ(笑)

なっちゃん:バギングとか荒塗りの工程は土遊びに近いよね、だからやってるうちに童心に帰れる

ナミちゃん:実は多くの大人たちがそういう機会を求めてるんじゃないかな。みんな心の奥の方には子どもの心がまだ眠ってるけど、それって普段の生活ではほとんど出すことができないから

童心を解放し、ネットを被った「トッシー」

例えば、プロとしての技術を求められる左官屋さんだったら、壁を塗っている時に下で作業している先輩の頭の上に塗り材を落としちゃった日には、晩ごはんが喉を通らないぐらい絞られるかもしれないけど、アースバッグのスクールではそうはならない

荒塗りは壁に材料をポイポイ投げつけるから四方八方に飛び散るし、頭に材料が落っこちてきてびっくりして叫んでる人は毎日いた(笑)でも、土遊びだから、それが楽しい

なっちゃん:しまいには土かぶったら「ありがとうございますー!」っていうのが恒例になってたこともあった(笑)そういう雰囲気で作業できるのは楽しいよね

ナミちゃん:そういう雰囲気があると、新しいことに挑戦するのも怖くないんだよね、だって、失敗してもみんなで笑えるじゃない?それがいいよね

私がそういう失敗を受け容れるためには少し時間も必要だったけどね
前職の看護師は人の命に直に関わる仕事で、失敗そのものが基本的には許されなかったから。
もちろんアースバッグにおける「失敗」と看護師における「失敗」とは、レベルも考え方も根本的に違うから、比較にはならないんだけど

スギ:そうですね、アースバッグは基本的にはセルフビルドで建てるものなので、多少のズレや計算違いには寛容ですけど、看護師の世界ではちょっとの計算違いが人命に関わってしまう

ナミちゃん:やっぱり10年間看護師をやっていたから、今でも他人の失敗に対して寛容になれない部分もあるんだけどね。それでも、スクールを通じて、自分や他の人の失敗を学びに変えていけるようになったのは、自分にとって大きな成長だったな思う

なっちゃん:失敗から学ぶサイクルも一つの循環だよね。挑戦して、失敗して、学んで、もう一回挑戦する

ナミちゃん:それを繰り返して、はじめて一歩づつ成長していけるのかもね

自分の「好き」に正直になることで、周りにいいリズムが生まれる

左:namiちゃん 右:なっちゃん

スギ:では最後に、これからアースバッグのスクールやワークショップに参加しようと考えている人たちに向けて、何かメッセージはありますか?

ナミちゃん:せっかく来るからには「自分がやりたいことを積極的にやろう!」って伝えたい!

スギ:それはどうしてですか?

ナミちゃん:さっきも言ったことなんだけど、私が参加した回のスクールはみんなの連帯感をすごく感じられたんだよね。それはきっとみんながそれぞれ自分のやりたいポジションとか作業に対して正直になったからだと思う
アースバッグにはいろんな工程と作業があって、バギングがあれば土こしもあり、ミックスもあって、建具の制作のような木工作業もある。それぞれまったく違う種類の作業で、みんながみんな同じ作業が好きってことはほとんどないよね

なっちゃん:私は左官とバギングが好き!

スギ:僕は木工とミックスが好きですね

ナミちゃん:そういうこと!自分がやりたい作業を「これがやりたい!」って率先してやると、他の人も自分の好きなことを主張していいと思えるし、そこからいいリズムが生まれやすくなると思う。
もちろん、好きなポジションが被った時とか、体力的に辛いポジションを同じ人がずっと担当している時にはお互いをうまくフォローする必要があるけど、それこそがチームワークの見せ所だよね

スギ:お互いの負担をフォローし合いながら、自分たちのやりたいことをどう追求していくかは、確かにチームワークの本質かもしれませんね

なっちゃん:アースバッグのポジションというより「チーム内で負担になっている部分をフォローすること」が好きな人も実はいるしね

ナミちゃん:やっぱ好きなことをやると楽しいから「楽しい!楽しい!楽しい!みんなが楽しい!」って思ったら、ちょっと嫌なことがあっても、みんなで楽しくやりきろうって気持ちになれるんじゃないかなぁって、私は思いますね。

ナミちゃん:大人になると、他人に遠慮しちゃうことってたくさんあるけど
アースバッグスクールに関してはそんな必要はないって私は思うな。自分の心の声聞いて、周りの人とも協調できると、最後まで楽しく参加できると思います

スギ:ありがとうございます!!

なつみ:とってもナミちゃんらしいメッセージで、なんだか元気をもらったよ

スギ:これを読んでいる人たちにも、そのメッセージは届くと思いますよ

ナミちゃん:いぇーい!!

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