レジリエンスの誤解と真実
「レジリエンス」という言葉を聞いたことがありますか？
ビジネスやスポーツの世界でも、この言葉はよく使われるようになりました。
レジリエンスが注目され始めたのは、今から60年以上前の1960年代です。現在、レジリエンスを高めるトレーニングなどが活発化していますが、レジリエンスの概念は、今日まで比較的長いあいだ研究されてきました。
レジリエンスは、「ストレス耐性をつける」ものではありません。
心理学の発展が欧米と比較して約25年遅れているといわれる日本では、「レジリエンス」や「ポジティブ心理学」という名前だけが先行し、小手先の解釈だけで、科学的根拠やエビデンスのない手法が使われてしまっており、それぞれの分野の先頭を走る心理学の権威たちが、正しく理解されていない事を懸念しているという声もあります。
民間の資格や自身の経験の知識だけでカウンセリングを行うことは、日本の心理学の発展以上に、すべての日本人が真のウェルビーイングを手に入れる事ができず、スポーツやビジネス、子育てなど、さまざまな領域において、他の先進国や新興国から大幅に遅れを取る可能性もあります。
とは言え、多くのカウンセラーやセラピストの方々が、日々、ともに真摯に研鑽を積んでくださっていますので、日本の「継続的な幸福度」は、今後もっと高まっていくと期待しています。
もしあなたが専門的なカウンセリングやセラピーを受けたいと考えている場合には、
□どんな手法を使っているのか？
□科学的根拠やエビデンスがあるのか？
こう言ったことにも注目して、ご自身に合った手法を上手に活用してみてくださいね☺️
さて、
「レジリエンス」の定義は、実に１２２個もあります。
ここでは、この定義についてのご紹介はしませんが、レジリエンスは、さまざまな特徴を合わせもつ概念として考えた場合に、「包括的用語」として捉えられ、柔軟に使われていることが多いようです。
レジリエンスを高めるトレーニングやプログラムは、巷にもいくつもありますが、正しく理解した上で、あなたに合った適切なトレーニングやプログラムを受けなければ、なにも効果はありません。
ぜひ、今回は、レジリエンスの間違った解釈と正しい解釈を理解していただき、ご自身の「継続的な幸せ」につなげていただけたら幸いです。
【レジリエンスの誤解と真実】
誤解１、決して感情を見せない
真実１、感情を適度にコントロールする
誤解２、ネガティブ感情をもたない。ポジティブ感情へ素早く変換する。
真実２、ネガティブ感情の役割や意味を知っている
誤解３、個人の力
真実３、個人ならびに関係性の力
誤解４、何もかも自分でやる力
真実４、他人に助けを求めるのもレジリエンスの力
誤解５、いつも迅速に行動する
真実５、スローダウンする時を知っている
誤解６、超人的な特徴をそなえる
真実６、回復力・再起力に富む
誤解７、いつも完璧である
真実７、いつも完璧ということはない
誤解８、あらゆる領域で一貫してレジリエンスが高い
真実８、領域によってレジリエンスの高低は異なる
誤解９、レジリエンスが高いのはエリート
真実９、誰でもレジリエンスを養うことができる
誤解１０、レジリエンスの獲得は目的である
真実１０、レジリエンスの獲得はプロセスである
アメリカ心理学会では、レジリエンスを以下のように定義しています。
『逆境やトラウマ、惨事、脅威、さらには重大なストレス源に直面したときに、うまく適応するプロセス』
いわゆる動的なプロセスであると考えられています。
1〜10の誤解と真実を比較して考えてみると、パーフェクトで強いだけがレジリエンスが高いとは言えないということがわかります。己の弱さを理解しているからこそ、逆境や試練を経験しても、感情を上手にコントロールして、落ち込んだ状況から早く立ち直ることができるのでしょう。
自分の弱さを受け容れることも、レジリエンスを高めるためには必要な要素となるのです。また、ご自身の得意分野で高いレジリエンスを発揮する。これも素晴らしいことだと思います。
「すべてにおいて、レジリエンスが必ずしも高い必要はない」という事ですね。
仕事は高いけれど、恋愛となるとちょっと…
そんな方もいらっしゃると思います。そんなご自身も受け容れつつ、変わりたい、レジリエンスを高めてもっと幸せになりたいと感じていらっしゃる方は、ぜひ一度ご相談ください☺️
※『レジリエンストレーニング入門 (ポジティブ心理学者宇野カオリ著)』のレジリエンスの誤解と真実の図表及び本文の一部を引用。
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