学生が始める学食のロス削減 ー環境省✖️TABETE “ No Food Loss!” Youth Action Projectの参加を通して学んだこと⑥施策実施編ー
ゴミ調査と学生アンケートを行い、学食のフードロスゼロを目指すためには、「調理後」、「調理中」、「サンプル」の3つの軸からのアプローチが必要であると考えました。また、先日の学長面談で学校側との話し合いもおこない、学校側の力をかりて進めていくことが出来るよう決まりました。
そこで初めての施策の実施は、食べ残しをなくすため、学生の行動変容に取り組みました。
1.「調理後」:学生のコミュニケーション不足が食べ残しの要因だった!
まずなぜご飯を残すのか? その原因として
A「配膳時にご飯の量を調整しないから」
B「配膳されたものを食べきらないから」
という2つの仮説をたてました。
学生アンケートを行った結果、ご飯を残している人は配膳時にスタッフと会話をしていないという相関関係が見られたため、
まずコミュニケーション不足を大きな要因とする仮説Aから検証することにしました。
具体的には、
学食での既存の注文フローの中に、ご飯を受け取る時全員が「食べられるご飯の量」をスタッフに伝える仕組みを加えました。
注文方法の変更を利用者へ知ってもらうため、写真のような誘導サインを学食内に設置し、テストを行いました。
ポスターの作成は①見てもらえるように、②わかりやすくを意識しました。
より多くの人からの共感を得られるよう、たべきりん♪というきりんのキャラクターを作成し、ポスターに用いました。
誘導サインを学食内に設置した上で、
一体どれだけの人が学食での注文方法の変更に気が付いたのか利用者アンケートを行ったところ、誘導サインには気が付いたが、そのうち半数以上の利用者が量を伝えるという行動に移してくれていないことが判明しました。
そこで、利用者が確実にご飯の量を伝えてくれるよう、新たな施策として、学食職員の方のインタビューやフードロスの現状など「受け取り時に量を伝える意義」を書いた食堂新聞をテーブル上に掲示しました。
作り手の顔を見ることで全部食べ切らなきゃ! と思ってくれるのではないかと考え、
食堂新聞には、学食職員さんのお写真をインタービュー内容と共に載せました。
また、フードロスへの関心を高めてもらうためのニュースや、食事への興味を持ってもらうために栄養食ニュースを取り入れるなど、
食べながら気軽に読んでもらえるように工夫しました。
また、利用者の目に留まるようなより大きなサインを設置した上で、
学食のスタッフの方々からも利用者へご飯の量を聞く声がけを徹底していただくようお願いしました。
更に、「残さず食べてくれてありがとうございます!」と書かれたミニスタンドを学食の各テーブルに設置することで、
「綺麗に食べなければいけない」と意識させる心理的アプローチも行いました!
2.「調理中」: 学食職員さんとの交渉
次に、調理中に出る野菜クズに対しては、食堂のスタッフの方々と相談し、
野菜を切る際にできるだけロスが出ないように少し気をつけてもらうなど、工夫していただくようお願いしました。
コロナ禍で授業が全てオンラインの中、学校に出向いて学食の方と交渉するのには学校側からへ申請が必要であったりと困難もありました。
しかし、学食職員の方々はお忙しい中大変丁寧に対応してくださり助かりました。
3.「サンプル」:モニター表示への変更
以前までは、サンプルとして実物のものを使用していたため、毎日メニューが変わる定食分のロスが発生していました。学食の影響開始から終了までの数時間ショーケース内に置かれたおかずは、誰にも食べられることなく捨てられていたようです。
そこで、料理をカメラで撮影しモニターで表示する仕組みに変更しました。
モニター表示に変更するために実際に必要になったものは以下のものです。
・モニター(大学に余っていたものを利用しました)
・SDカード
・カメラ
モニターにメニューを映し出す方法としては他に、
・レンタルサイネージを導入する
・Chromecastを使用する
・Wi-fiで写真を飛ばす
などの案も出ました。
また「一つのモニターにメニューを4分割して表示する方がいいのではないか?」という意見もありましたが、
・SDカードの方が操作が楽である
・メニューが増えたときに対応しやすい
などといった学食職員さんの声もあり、今回はSDカードでの表示を採用しました。
以上の施策を行った上で、第2回ごみ調査を行い、どれぐらいフードロスが減ったのかを確かめます!
ドキドキです
第2回ごみ調査編へ続く…
ちなみに・・・・
この施策を実施している途中で、環境省への中間報告会がありました!